密室講義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/22 23:38 UTC 版)
講義を開始する際、フェル博士は自分たちが小説の中の人物であると明言する。ゆえに本作をメタフィクションの一例と見る意見もある。 人間が出入りする秘密の通路や、凶器が通れる大きさの穴の類は下等なトリックとして分類からは排除する。 密室内に殺人犯はいなかった。偶発的な出来事が重なり、自殺や事故を殺人と誤認。 暗示や毒物の効果により被害者が死ぬように追い込む。 室内に隠された何らかの仕掛けによる殺人。 殺人に見せかけた自殺。 すでに殺害された人物が生きているように見せかける。 犯人は室外にいたが、犯行は室内で行われたと誤認される。たとえば室外でのアクションが室内に届き被害者を殺害する。あるいは室外で致命傷を負った被害者が室内に入ったのち死亡する。 未だ生きている人物を死んだように見せかけ後で本当に殺害する。 ドアの鍵が内側から閉じられているように見せかける。鍵穴に差し込んだままの鍵を糸などで操作し鍵をかける。 蝶番を外す。 ボルトを糸などで操作する。 カンヌキや掛け金を、氷などを利用して部屋を出た後落としこむ。 鍵を隠し持っておき、扉にあるはめ殺しのガラスなどを割ったときに、いち早く中に手を突っ込み抜き取ったふりをする。 外から鍵を掛け鍵を中に戻す。 本文中では、分類ごとにトリックの実例が列挙され、わずかではあるが該当する作品の題名も挙げられている。自作『弓弦城殺人事件』『黒死荘の殺人』(プレーグ・コートの殺人)なども実例中に含まれている。 3年後に刊行されたクレイトン・ロースンの『帽子から飛び出した死』(1938年)から現代にいたるまで、「密室講義」の引用や言及、補足や観点を異にする分類体系の提案などが多数ある。
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