宮崎商業高校のケース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 03:21 UTC 版)
「女子柔道強化選手への暴力問題」の記事における「宮崎商業高校のケース」の解説
2013年3月29日に宮崎県教育委員会は、体罰や暴言を繰り返していたとして保護者から免職を求める嘆願書も出されていた、宮崎商業高校教諭を懲戒免職処分にしたことを公表した。それによれば、この教諭はインターハイや全国高校選手権において個人戦の優勝者を複数出すなど柔道部顧問として実績を残した一方で、少なくとも2010年7月から2012年9月までに女子部員13人に対して、頭や顔を殴ったり腹部を足で蹴るなどの体罰を10回以上繰り返していた他に、「ブス」や「ブタ」といった暴言も盛んに浴びせていた。とりわけ、2011年には1年生部員に対して左耳の鼓膜を破る怪我を負わせて謹慎処分を受けながら、2012年にはさらに2年生部員の後頭部などを叩いて打撲傷を負わせて、この一件では傷害容疑で書類送検にも付されていた。また、申請に必要な保護者の同意を得ずに、宮崎市が選手に支給する奨励金を無断で申請して41万円ほど受領していたことも明らかになった。 さらに、この教諭はかつて市立柏高校の女子柔道部監督を務めていた時代に、インターハイ女子団体戦で3連覇を達成させる成果を挙げながら、女子部員の顔を殴って左目近くの部位を骨折させていた他、部で禁じられていた女子部員との付き合いを行っていた男子部員を、柔道部顧問と後援者とともに殴って怪我を負わせ、この男子部員が柏署に被害届を提出するといった問題も引き起こしていた。なお当時の市立柏高校柔道部では、女子柔道部員を自宅などに下宿させていた管理人である後援会幹部が女子部員2名に度々乱暴を働いて後に懲役8年の実刑判決を受けるといった事件も起きていた。 5月には懲戒免職処分を受けた元教諭が、選手を強くしたいという気持ちで行った指導を宮崎県教育委員会側が一方的に体罰だと判断したとして県人事委員会に対して処分取り消しを求める不服申し立てを行った。 2014年7月25日に宮崎区検は、部員への傷害容疑で宮崎北署に書類送検されていた元教諭を、嫌疑不十分として不起訴処分にすることを公表した。区検の説明によれば、「裁判で立証するのに十分な証拠を集められなかった」からだという。
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