宮島と向島
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 05:37 UTC 版)
浦富の砂浜の西の端には本土側に高さ20メートルほどの小さな岩山があり、その数十メートル沖に岩の島がある。この2つの岩場にはそれぞれ「宮島」「向島」の呼称があるが、どちらを「宮島」「向島」と呼ぶかは文献によって食い違いがある。 海中の岩場を宮島とするもの 古い国土地理院地図やゼンリンの住宅地図、鳥取県が作成したパンフレットなどでは、海中の岩場を「宮島」をしている。1976年の『日本島嶼一覧』(財団法人日本離島センター)でも国土地理院地図に基づいて「宮島」の名を挙げている。 海中の岩場を向島とするもの 1928(昭和3)年に浦富海岸が天然記念物に指定される際に内務省が作成した文書などでは、宮島を「砂浜に連接した島」と表現し、海上のものを向島としている。岩美町が作成した『新編岩美町誌』・『名勝及び天然記念物浦富海岸保存管理計画』や、新しい国土地理院地図や道路地図などでは、沖の岩場に「向島」と書かれている。 『日本地名大辞典 31 鳥取県(角川日本地名大辞典)』でも本土側の岩山が「宮島」とするのが正しく、沖の岩場を「宮島」とする資料は誤りであるとして、正しくは「向島」であるとしている。ここではこの説に基づいて、本土側の岩山を「宮島」、沖の岩場を「向島」として扱う。 向島は黒雲母花崗岩を主体とする岩の島である。島にはクロマツが1本あるほか、タイトゴメ(マンネングサ属)などが自生している。 宮島は高さが20メートルほどの花崗岩の岩場で、周囲は400メートルほどある。かつては独立した島だったが、今では海水浴場の砂浜と地続きになっており、海水浴場の西端にある岩山になっている。岩場の頂きには荒砂神社が鎮座している。荒砂神社は『延喜式神名帳』の「大神社(オホムワノ-)」に比定される神社の一つである(因幡国の式内社一覧参照。)。その社殿の軒下には竜の彫刻があり、左甚五郎の弟子の作品として知られている。宮島と荒砂神社は浦富海岸を代表する景勝地の一つとされている。
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