実行犯に関する目撃証言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 10:13 UTC 版)
「三億円事件」の記事における「実行犯に関する目撃証言」の解説
事件発生の少し前、犯行に使用された偽装白バイに関する目撃証言が集まっている。1968年11月下旬の朝8時頃に府中市の市道を走行していた青いオートバイ、更には同12月1日深夜に京王線高幡不動駅近くで一方通行の道路に対して逆向きに停めてあった青いオートバイがそれぞれ目撃され、2件の目撃情報とも4桁のナンバーが偽装白バイに使用されたオートバイ(ヤマハスポーツ350R1)と同じであった。また事件前日の12月9日20時40分には、府中市の交差点で不自然なスピードで走行する、本物の白バイよりもシートが高い「違和感がある白バイ」とすれ違った、とする目撃証言がある。 現金強奪前の第三現場では、シートを被せられた「白バイ」の目撃証言が寄せられた。現金強奪10分前の9時20分には何かを狙うように待機する「白バイ隊員」の姿が自宅にいた主婦に目撃されている。また現金強奪30分前の9時頃に日本信託銀行国分寺支店から50メートル離れた空き地で銀行の出入りを窺う不審なレインコートの男を目撃した人物が4人いる。4人の目撃者によると、不審な男は「身長165センチメートルから170センチメートル」「30代くらいの男」であると証言している。 直接の現金強奪の犯行現場となった第一現場では、4人の銀行員の他に府中刑務所の職員、近くにいた航空自衛隊員などの目撃証言者がいた。しかし、これらの目撃者の証言は曖昧だったり勘違いだったりすることもあった。 第二現場付近では、犯行直後に猛スピードで走る車に泥水を跳ねられた通行人の主婦がいた。主婦は、すぐに車のナンバーを控え、警察に通報した。警視庁がナンバーを照合したところ、泥水を跳ねたクルマは、第一現場で強奪された現金輸送車のセドリックだったことが判明している。 国分寺市の造園業者の親子が車を運転中に乱暴な運転の濃紺カローラとすんでのところで接触事故になりかけた。カローラは猛スピードで国分寺街道方面に走り去って行った。造園業親子の目撃証言では、カローラの運転手は長髪の若い男で、無帽かつ黒っぽい服を着用し、助手席は無人だったという。ジュラルミンケースは見ておらず、車のナンバーも確認していないが、無謀な荒い運転や濃紺色という目撃証言から、犯人が第二現場で逃走用に乗り換えた「第二カローラ・多摩五郎」であることが確実視されている。 東京都杉並区内の検問所で「銀色のトランクを積んだ灰色ライトバン」を捕捉したが突破された。これが最後に目撃された犯人の姿といわれる。
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