実演家の権利
これらのうち、財産権については、「生の実演」と「レコードに録音された実演」と映画、放送番組、ビデオなどの「映画の著作物に録音・録画された実演」について分けて考えると理解しやすいでしょう。例えば、「映画の著作物に録音・録画された実演」の場合、俳優などの実演家の了解を得て録音・録画された実演は、原則として、以後の利用について権利が働きません(第91条第2項、第92条第2項、第92条の2第2項)。また、財産権は基本的には許諾権(著作隣接権)ですが、「レコードに録音された実演」のうち、市販用の音楽CD等の放送及び有線放送、発売後1年を経過した音楽CD等の貸与については、許諾権ではなく(利用させるかさせないかという決定権はない)、利用された場合は使用料を請求できるという報酬請求権です。権利内容の詳細については、文化庁ホームページに掲載されてある著作権テキストを参照してください。
なお、実演家の権利は、著作物の場合と同様、実演を行ったときに、登録等の何らの方式を要さず自動的に権利が発生します(無方式主義)。また、保護期間は、実演を行ったときから50年までで、期間の計算は暦年計算で、実演を行った年の翌年の1月1日から起算します。
実演家の権利
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 04:28 UTC 版)
実演家に対し、あるいは実演家の実演に対して認められる権利を列挙する。 (実演家人格権) 氏名表示権 - 自分の実演に対する、著作物における氏名表示権と同様の権利。 同一性保持権 - 自分の実演に対する、著作物における同一性保持示権と同様の権利。 (財産権) <許諾権> 録音権、録画権 - 自分の「生の実演」を無断で録音・録画されない権利。 放送権、有線放送権 - 自分の「生の実演」を無断で放送・有線放送されない権利。 送信可能化権 - 自分の「生の実演」を無断で送信可能化されない権利。 譲渡権 - 自分の実演を、その録音物・録画物の譲渡により無断で公衆に提供されない権利。 貸与権 - 自分の実演を、それが録音された商業用レコードの貸与により無断で公衆に提供されない権利。(レコード発売後1年間) <報酬請求権> 「放送」「有線放送」の使用料請求権 - 自分の実演が商業用レコードや配信音源を用いて、放送または有線放送(同時再送信を含む)された場合に、実演家が放送事業者等に対して相当額の使用料(報酬)を請求できる権利。 「レンタル」の使用料請求権 - 自分の実演が商業用レコードを用いて公衆に貸与(レンタル)された場合に、実演家がレンタル店に対して相当額の使用料(報酬)を請求できる権利。(レコード発売後2年目~70年目) 二次使用料請求権 - 自分の実演が商業用レコードを用いて放送または有線放送された場合に、非営利・無料で放送を受信して同時に「有線放送」される場合を除き、文化庁指定の実演家構成団体が放送事業者等に対し二次使用料を請求できる権利。 氏名表示権と同一性保持権を実演家人格権、その他の権利を著作隣接権という。
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