定規とコンパスでできる作業とは? わかりやすく解説

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定規とコンパスでできる作業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 08:05 UTC 版)

定規とコンパスによる作図」の記事における「定規とコンパスでできる作業」の解説

この問題に言う「定規」「コンパス」は現実世界にある実物のそれではなく参考にはしているけれども)、可能な作業決まっている仮想的な存在である。そのため、思考実験一種としてサイズに関して現実的にありえない無茶なことも想定できる代わりに実物できることいくつかははっきりと禁止される。 「コンパス」はいくらでも小さく、またはどこまでも大きく半径を取ることのできる、仮想的なもので、広げて任意の長さを測り取ることもできる。ただし、測り取れるのは既に作図されている二点間の長さとしてだけである。なお、「コンパス本体角度表示する目的などで目盛りなどの印を打つことはできないまた、作図作業においては軸は既に作図された点に固定されるものとし、定規や線の上を引きずって線を引くような用途には使用できない。 「定規」はいくらでも長くまっすぐな線を引くことができる。ただし、「定規」に目盛りを打つことは許されない目盛りがあっても長さ測るのには使わない)。また「定規」だけで引けるのは同時に一本だけであり、複数平行線同時に引くようなことはできない。「定規」でできるのは既知任意の二点を線分で結ぶこと、およびそれを延長して直線にすることである。 仮に目測近似使って何らかの作図ができたと主張しても、それは作図問題答えたことにはならない間違いなく確実に決まっていることが必要なのである。もちろん(いくらきちんと点や線が作図できたとしても)、目盛りのある定規使ったり、変形コンパス分度器その他の道具手段利用してならないそのようにして得たものは定規コンパス用いた作図問題解決とは無関係な存在だからである。 これらの条件から、定規とコンパスによる作図できること原理的に次に挙げるような作業のみであり、既知の点、直線、円たちからはじめて、それらの作業有限組み合わせて繰り返すだけで必要な点や長さを得ることができるならば目的作図が可能、できなければ目的作図不可能であるということになる。 既知の二点に対し、それらを通る直線を引く。 既知一点中心とし、それ以外既知の点を通るような円を描く互いに平行でない既知二直線から、その交点を得る。 既知の円と直線から、その高々二個の交点を得る。 既知二つ円から、その高々二個の交点を得る。 たとえば、相異なる二点が与えられているだけの最低限仮定からはじめれば、まずひとつの直線半径等し二つ円を描くことができる。交わる二つの円が得られているのでそれらの交点として新たに二つの点を得ることができる。この新たな二点のうちのいずれか最初の二点とをそれぞれ結べば正三角形作図完成する。 これはつまり、作図という幾何学的な問題は、どのような記号(点や直線、円など)を初めに与えて (initial set)、どのような方法で (algorithm)、どのような結果得られるか (result) という点に係っているということである。このような側面から言えば作図問題というのは元が点や直線になっただけの公理的代数学等価存在であるといえる。それを現実のものとし、それによっていくつかの作図問題不可能性を証明したはじめての人はおそらくガウスであろう後の時代になってヒルベルトが、著書幾何学基礎論』においてユークリッド幾何学公理を完全に厳密な形で与えている。

※この「定規とコンパスでできる作業」の解説は、「定規とコンパスによる作図」の解説の一部です。
「定規とコンパスでできる作業」を含む「定規とコンパスによる作図」の記事については、「定規とコンパスによる作図」の概要を参照ください。

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