定時制の課程
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定時制の課程(定時制課程)とは、夜間や特定の時間帯又は季節において授業を行う課程のことである。英訳では「part-time school」、特に夜間定時制は一般的には「Night school(ナイトスクール)」「ナイトコース」と呼ばれる。1948年(昭和23年)に発足する。 夜間定時制(一部制)は主に昼間仕事に就き、終業後に夜間に学校に来て学習する社会人の生徒のために作られた課程で、一般的に全日制課程に併設されている。 中退したが再び頑張って高卒の資格を取りたい社会人、無職の者、若いときに様々な事情で進学できなかった高齢者、発達障害や知的障害を抱えた生徒、特別支援学校で受け入れてもらえなかった生徒などが夜間定時制(一部制)や昼夜間定時制(多部制)の夜間部へ進学している。 昼間定時制(一部制)や昼夜間定時制(多部制)の昼間部は昼間に授業を行うが全日制と多少授業時間が異なる場合がある。全日制と同様にほとんどの生徒が15歳~18歳である。 近年になって、新しい形態の多部制も設置されるようになってきている。昼間に午前、午後の2つの部を設置する昼間二部制や、昼間1部、夜間1部の昼夜間二部制、昼間2部、夜間1部の三部制がその例である。例えば、新宿山吹高等学校定時制課程では、1部 (8:40 - 12:20)、2部 (10:40 - 14:50)、3部 (13:10 - 16:50)の昼間部に加え4部(夜間)(17:20 - 21:10) を設置する四部制の授業を行っている。これらの制度は、朝から夕方前までの授業に出席できない生徒に対して対応するように考えられたものである。一方、愛知県の公立定時制のように、昼間部と夜間部で全く別々の教育課程で、昼夜授業でも三部制の形態をとっていない定時制高校もある。 他に、農閑期に通学する形の農業関係の学科(農業科など)を設置する季節定時制と呼ばれるものや交代勤務の工場労働者(主に女子)等を対象に、昼間に授業を行うもの(昼間隔週二部制)も設置された。昼間隔週二部制は、対応する企業が少なくなったこと、志願者が少ないことから廃止された。また、山間部の農業科・家庭科を設置している高校は昼間定時制を設置している。春と秋の農繁期に休業がある。現在は農業に携わるもの以外は、その期間に補習や職業体験などを行っている。4年次は登校する曜日を少なくして各自の進路に対応する学習を行う。 現在では通院、就業、専修学校高等課程とのダブルスクールに配慮した形の開講形態になっている高校もあり、多部制を中心に大学との単位互換など、全日制では対応できないような取り組みがなされている。
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