定冠詞を伴う慣用表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 09:16 UTC 版)
「the」+姓の複数形で、「...家(け)の人々」「...一家」という意味になる。例えば、the Johnsons(ジョンソン家の人々)、the Rockefellers(ロックフェラー家)など。この「the+複数形」という語法には、「1つの完結した集合体」を包括的に指示する総和の原理が働いている。なお、「...家(け)の人」「...一族の1人」のように1人だけを指す場合は a member of the Kennedy family または単にa Kennedy(ケネディ家の一員)と言う(#不定冠詞の語法も参照)。 人名は基本的に無冠詞だが、形容詞などで修飾されている場合には定冠詞を用いる。例えば、the great playwright Shakespeare(偉大な戯曲家シェイクスピア)など。 定冠詞は、楽器名とともに用いられる。例えば、play the piano(ピアノを演奏する)など。 スポーツチーム(NFL、MLBなど)やバンド名には定冠詞が付く。例えば、the Miami Dolphins(マイアミ・ドルフィンズ)、the New York Yankees(ニューヨーク・ヤンキース)、the Beatles(ビートルズ)など。これらにも、人間の集団を包括的に捉える総和の原理が働いている。家族・一族の場合と同様、メンバーの1人を指す際には a Yankee、a Beatle のように言う。ただし、新聞の見出しなどでは、冠詞が省略されるのが通例である(#無冠詞を参照)。 the eighties や the 80s(80年代(1980年代))など、世紀の10年を総和的に指す場合にも定冠詞を用いる。 定冠詞「the」は形容詞と組み合わせることが可能である。the blind、the deaf、the mentally ill、the handicapped、the rich、the poor、the dead、the young などは、それぞれそういう状態・状況にある人々を指し、複数扱いである。また、the beautiful(美)や the impossible(不可能なこと)など、抽象概念を指す用法もあり、その場合は単数扱いとなる。 「the」はさらに、形容詞・副詞の比較級との組み合わせで使用されることもある。例えば、the sooner the better(早ければ早いほど良い)、so much the worse(かえってますます悪い)など。また、形容詞・副詞の最上級との組み合わせで、the greatest(最も偉大な)、the best(最良の)などと言う。ただし、比較級・最上級を修飾する「the」は冠詞ではなく、副詞に分類される。
※この「定冠詞を伴う慣用表現」の解説は、「英語の冠詞」の解説の一部です。
「定冠詞を伴う慣用表現」を含む「英語の冠詞」の記事については、「英語の冠詞」の概要を参照ください。
- 定冠詞を伴う慣用表現のページへのリンク