安全保障および防衛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 19:33 UTC 版)
詳細は「共通安全保障防衛政策」を参照 欧州連合の前身は、防衛目的には北大西洋条約機構が適切かつ十分であると考えられていたため、軍事同盟として考案されたものではなかった。欧州連合加盟国のうち21か国が北大西洋条約機構に加盟しており、残りの加盟国は中立政策をとっている。1948年調印のブリュッセル条約で設立され、相互防衛条項を持つ軍事同盟であった西欧同盟は、その役割が欧州連合に移ったため、2010年に解散した。 イギリスの離脱以降、フランスは公式に核兵器国として認められている唯一の加盟国であり、国際連合安全保障理事会の常任理事国でもある。また、欧州連合最大の軍隊と最大の国家防衛予算を有するフランスは、欧州連合諸国の中で唯一、欧州外への戦力投射能力を有している。 欧州連合加盟国のほとんどが核兵器禁止条約に反対していた。 1999年のコソボ紛争を受けて、欧州理事会は、「欧州連合は、北大西洋条約機構の行動を害することなく国際的な危機に対応するために、信頼できる軍事力に裏打ちされた自律的な行動能力、その使用を決定する手段、そしてその準備を備えていなければならない」と合意した。この目的のために、欧州連合の軍事力を高めるための様々な努力がなされ、特にヘルシンキ目標が行われた。多くの議論を経て、最も具体的な成果となったのが、欧州連合戦闘群構想であり、約1500人の人員を迅速に展開できるよう計画されている。欧州連合部隊は、中部・北アフリカから西バルカン半島、西アジアまでの平和維持任務に派遣されている。欧州連合の軍事活動は、欧州防衛機関、欧州連合衛星センター、欧州連合軍事参謀部など、数多くの組織によって支えられている。Frontexは、欧州連合の対外国境を守る各国の国境警備隊の協力体制を管理するために設立された欧州連合の専門機関である。不法移民、人身売買、テロリストの侵入を検知し、阻止することを目的としている。2015年に欧州委員会は、各国の国境管理当局とともに、より強力な役割と権限を持つ新しい欧州国境沿岸警備機関の提案を発表した。27か国で構成される欧州連合では、実質的な安全保障と防衛の協力は、すべての加盟国の協力にますます依存するようになっている。
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