学術的に安全性が証明されたPoSアルゴリズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 17:06 UTC 版)
「カルダノ (ブロックチェーン)」の記事における「学術的に安全性が証明されたPoSアルゴリズム」の解説
カルダノのコンセンサスアルゴリズムはOuroboros(ウロボロス)と名付けられたプルーフ・オブ・ステーク (PoS)アルゴリズムであり、これはPoSプロトコルの中で初めて学術研究を基盤に構築された事例である。 ビットコインなどに代表されるプルーフ・オブ・ワーク (PoW)アルゴリズムでは、参加者がブロックを生成する権利を得るために電力・演算リソースを投資しその競争に勝つことで報酬を得ることができるが、プルーフ・オブ・ステーク (PoS)では演算リソースの代わりに参加者が保有する「ステーク」(トークン保有量)の大きさを利用して抽選により報酬が配布される。PoSではPoWに比べてほんのわずかな電力でネットワークを維持することができるが、堅牢性の確保のためにはより数学的な厳密さが求められる。Ouroborosは学会にて査読を受けた論文に基づいた設計を行うことで、学術的に安全性の証明されたPoSプロトコルの実装を実現している。 また現在、主だったPoWネットワークは高いハッシュレートを持つ一部のマイニングプールが権力を持つことが多く、これらがネットワークの行末を支配可能であるという深刻なリスクにさらされている。Ouroborosはゲーム理論の研究成果に基づく分散化を促進するプロトコル設計により権力の集中を回避している。 ステーキングにおいてはプロトコルに組み込まれた「ステークプール」と「委任」の要素によりトラストレス(不正が不可能)なシステムを実現している。保有者はステークプールに「ブロックを生成する権利」のみを預け、生成報酬の分配を得ることができる。生成権の委任をしても資産自体は送金されず保有者の手元に残るため、紛失や盗難の心配なくステーキングをすることができる。委任者はノードを稼働させる必要がないため、委任のトランザクションが承認されていれば資産をコールドウォレットに保管したままステーキングを行うことも可能である。分配もプロトコル側で処理されるため、運用者による持ち逃げのリスクはない。運用者が得るマージンもチェーン上に記録されているためにこれを偽ることができず、変更された場合も一定の期間の後に反映されるために「報酬が分配される寸前にマージンを引き上げる」といった行為も不可能となっている。ステークプールが攻撃を受けた場合やサーバのデータを紛失した場合、プールの運用者は資産を失うことがあるが、委任者は資産を失うことなく委任の解除や委任先の変更をすることができ、その時点までに得られていた報酬も手元に残る。
※この「学術的に安全性が証明されたPoSアルゴリズム」の解説は、「カルダノ (ブロックチェーン)」の解説の一部です。
「学術的に安全性が証明されたPoSアルゴリズム」を含む「カルダノ (ブロックチェーン)」の記事については、「カルダノ (ブロックチェーン)」の概要を参照ください。
- 学術的に安全性が証明されたPoSアルゴリズムのページへのリンク