学校復帰の可否と復帰学年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/26 22:11 UTC 版)
「長期欠席」の記事における「学校復帰の可否と復帰学年」の解説
公式定義にようやく当てはまる程度の年間数十日程度の欠席であれば、欠席の事由が消滅した場合、以前と同じように出席を開始するだけで、そのまま復帰できる場合が多い。年間出席日数の半分程度の欠席の場合、小学校・中学校であれば学年末に原級留置を行うかどうかが検討されるが、公立校であれば本人の意志を聞いたうえで進級・卒業の扱いになる場合も多い。高等学校の場合、通常であれば、履修不認定で単位が不足して、原級留置になる可能性が高まる。 年間の大部分を欠席した場合や、欠席が数年間に及んだ場合は、必ずしも復学できるわけではない。小学校・中学校では年齢主義が強い学校が多いため、本人の意思にかかわらず強制的に進級や卒業(除籍)がなされるケースも多く、復学ができなくなる場合や、高い学年に復学するしかない場合(または欠席開始時に小学生で復学時に中学生となる場合)がある。高等学校では、在学期間に上限を設けている場合や、再入学時の年齢制限がある場合もあるので、同様に必ずしも元通りに復学できるとは限らない。 このように、特に小中学校段階では、年齢主義進級制に基づいた強制的進級・卒業が行われやすく、未履修の学年を飛ばして復学することとなってしまうため、学校ではなく家庭、塾、独学などで飛ばした学年の内容を補習しておかなければ、授業についていけなくなってしまう事態に陥ることが多い。 このように日本のほとんどの地域で、15歳までは年齢主義の影響が強いため、児童・生徒は自分の年齢に追われる形にならざるをえず、学齢期を終えた時点では本来の中学卒業レベルの学力水準に到達できないまま、中学を卒業または退学してしまうケースも多い。こうしてやり直し学習の機会が閉ざされた状況に置かれた本人が、小学校や中学校に再度入学しようとしても、学齢超過者を受け入れる小中学校は数少ないため、ほとんどのケースで大きな転居や夜間中学への入学が必要となる。このような事態に対し、現状は、小中学校と特別支援学校の中間の位置付けの公立の公的教育施設が皆無に等しいため、サポート校などの営利的な教育機関の需要が高く、本来あるべき学校制度の姿からはかけ離れてしまっている。また、高等学校では、定時制高校や通信制高校が長期欠席生徒の受け皿になっていることが多い。
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