婚姻のプロセス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/21 01:55 UTC 版)
婚約 まず、男方から媒酌人をたてて、女方に縁談を申し込み、女方が同意すれば、結婚相手双方の生年月日を書いた紙を許(シュイ:シャーマン)に手渡し、相性や吉凶を占ってもらう。許(シュイ)がもし吉とみなせば、女方はさっそく男方に某月某日に女方にて酒宴を開くと通知する。その時、男方の父母は息子を伴って女方の父母を訪ね、女方が婚資の額を提示して双方で話をまとめる。これを「格勒酒(グゥルゥチョ)」といい、「蓋を開けた酒」を意味する。次に数カ月あるいは数年後にまた男方は酒宴を開いて女方の親戚友人を招待し、婚資の一部を女方に贈る。これを「丁就約酒(ティンチョウユエチョ)」といい、「婚約がひとまず取り決められたことを祝う酒」を意味する。次に数日後、男方はみたび女方で酒宴を開き、近所の家々の代表者を招待し、婚資の残りすべてを女方に贈り、結婚の日取りを決める。これを「打就格酒(タァチョウグゥチョ)」といい、「婚約がすべて取り決められたことを祝う酒」を意味する。 結婚 第1日目を「花夜(ファイェ)」といい、女の家は親族を招いて酒宴を開く。客人は衣料,刺繍した布靴,アクセサリーなどの贈り物をする。1メートル余りの細竹を酒瓶にさし入れてみんなで酒瓶を車座に囲んで吸って飲み、祝いの「沙朗舞(シャーラン)」を踊り、宴は深夜まで続けられる。次の日、花嫁は赤い花嫁衣装を身にまとい、刺繍した靴を履いて母方オジに紅い絹布をかけてもらい、兄弟もしくは父方イトコに背負われながら戸口を出る時、爆竹が鳴らされる。それから馬あるいは輿に乗り、女の子7〜8人が付き添って男方の家へ行く。途上に親戚友人の家があればそこで一行は茶菓でもてなされる。花嫁が男の家に着くと、男方は入り口で爆竹を鳴らして歓迎し、室内に迎え入れる。花嫁は男方の年長者から赤い布をかけられ、拝礼した後、新居に入る。続けて男方は盛大に宴会を開いて客人をもてなし、宴会終了後、遠方の客のために近所で宿の手配をする。これを「若余爾(シュオユイアァ)」といい、「客を分ける」という意味である。その夜、親戚友人たちは男の家に集まって楽しく酒を飲み、酒歌を歌う。酒歌はまず男方の客人が『花嫁をほめ讃える歌』を歌い。続いて女方の客人が『花婿をほめ讃える歌』を歌う。歌が終わると一緒に「沙朗舞」を踊るが、この日も深夜までそれが続けられる。3日目の朝、主人は客人に感謝の意を表し、爆竹を鳴らして客人を見送る。この日も酒宴が開かれて新郎一行がもてなされる。このとき新郎は新婦の友人から伝統的なやり方でいじめられる。おもなやり方は、新郎が箸で取りづらくした食べ物を無理やり取らせるというものであるが、失敗すれば一気飲みなどの罰を受ける。こうして3日間におよぶ結婚式が終わり、晴れて夫婦として認められる。
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