大西洋戦略兵器施設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 15:13 UTC 版)
「キングズベイ海軍潜水艦基地」の記事における「大西洋戦略兵器施設」の解説
大西洋戦略兵器施設(SWFLANT)は、弾道ミサイル部隊に対する戦略ミサイルおよび兵器システムへの支援を提供する。SWFLANTはトライデントⅡ D-5ミサイルの組み立て、ミサイル誘導および発射サブシステムのコンポーネントの処理に責任を負っている。この施設は1994年に完成し、全部で24棟の建物からなり、その中には2棟のミサイル組み立てビルディング、2棟の垂直ミサイル・パッケージング・ビルディングがあり、潜水艦への搭載前の最終組み立て工程が実施される。ミサイルの最終的な搭載は爆発物取扱埠頭(EWF)で行われ、2つある埠頭のうち1号埠頭(EWF-1)は高さ44メートルあり、地元のカムデン郡で最も高い建物である。SWFLANTにはその他、ロケットモーターを保管する弾庫66か所と、トライデント用の核弾頭(W76、W88)を保管する兵装弾庫4か所がある。 SWFLANTに保管されているトライデントミサイルは言うまでもなく米海軍のオハイオ級が搭載するためのものだが、それが全てではなく、イギリス海軍のヴァンガード級原子力潜水艦に搭載されるトライデントも含んでいる。1962年のポラリス売却協定以来、イギリス製の潜水艦に、イギリス製の核弾頭を搭載したアメリカ製のSLBMを搭載することにより戦略核抑止態勢を構成してきた英国は、1982年に同協定を改定し、陳腐化したポラリスに代わってトライデントⅡ D-5を導入した。イギリスは、キングズベイ基地で保管・整備される英米共有でプールされたミサイルのうち58発分に対し所有権を持っている。ヴァンガード級原潜は、キングズベイで核弾頭が装着されていないミサイルを受領・搭載したのち、英海軍クライド海軍基地の一部をなすクールポート王立海軍弾薬庫にて、ミサイルに英国製核弾頭の取り付けを受けて任務にあたる
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