大物獲りの方針
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 14:59 UTC 版)
13年3月にJリーグ理事に就任した岡野は、近年のリーグ問題点であったスポンサー離れや視聴率低迷の解決策として打ち出された「2ステージ制及びプレーオフの復活」に懐疑的であった。同じく別の解決策が必要と感じていたジェイリーグエンタープライズ・佐々木一樹社長は13年夏、閉塞感を打破するには「試合を見に行ってみようという気にさせる選手を呼ぶべきだ」と考え、大物外国人獲得に動くようJリーグ各クラブの社長に呼びかける。岡野はその当時セレッソで活躍していた柿谷曜一朗・山口蛍といった若手選手たちについて、このまま海外に移籍しても通用しない、プロの心を備えるよう手本になる世界的な選手が必要と感じていて、佐々木の呼びかけに唯一賛同する。 当初はアトレチコ・ミネイロ所属のロナウジーニョやレアル・マドリード所属のカカなど複数の選手と交渉したが断念。13年8月、日本対ウルグアイの親善試合を観戦した岡野はヴィラ=レアル所属時代からファンであったフォルランが2ゴールする活躍を目の当たりにし、日本のトップDFである吉田麻也と今野泰幸を相手に圧倒したフォルランなら、1人で簡単に点を取れる。また、当時セレッソに所属していた柿谷をスアレスに見立てて、パートナーはフォルランが最高と判断。こうして交渉相手をフォルラン一本に定める。 情報漏れを防ぐために、フォルラン獲得計画は所属するヤンマーの山岡健人社長にのみ明かし、クラブ内では強化部にも「絶対に力になるCFを呼んでくる」と話すにとどめている(ただし日本経済新聞[いつ?][要ページ番号]によれば、2、3人は動きを把握していたという)。獲得に先駆けて、費用捻出のためレヴィー・クルピ監督他、元ブラジル代表シンプリシオ含む外国人スタッフ・選手の契約を解除し約5億円を捻出。フォルラン獲得には既にブラジルのボタフォゴほか多くのクラブが動いており、それら競合クラブと対抗するために好条件を提示する必要があった。当時フォルランの所属していたSCインテルナシオナルは給料未払い問題を抱えていた。そこに注目し、契約期間が残っているため本来なら必要となる移籍金を、未払い問題を不問にする代わりに移籍金もゼロにする。そうすれば移籍金として用意した金額を上乗せして、フォルランの代理人やフォルラン自身が得る年俸を他の交渉相手より高額にするという条件を提示。高額年俸のフォルランを放出したいインテルナシオナル側はこの条件をのみ、14年1月22日にはフォルラン自身がTwitterでセレッソと契約したことを発表。
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