大浜埼灯台記念館
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旧大浜埼船舶通航潮流信号所。1910年(明治43年)竣工、1986年(昭和61年)開館。灯台は海上保安庁が管理しているが、こちらは尾道市が管理している。普段は施錠されており、見学には尾道市因島総合支所に事前申請する必要がある。 木造平屋建切妻屋根、塔屋3基付。幅3.74m×奥行16.38m×高さ8.75m、桁行9間×梁間2間。近代に造られた木造信号所としては現存唯一のものである。2005年(平成17年)に土木学会選奨土木遺産、2011年(平成23年)には広島県重要文化財に指定。 この施設の特徴は屋根の上にある3つの塔である。周辺の海域を東西3区域に分け、それぞれの塔からの信号で反対側から航行している船の位置を知らせた。海側から第1種信号・第2種信号・第3種信号と呼ばれ、昼間は塔の中央に大きく記号を表示、夜間は塔の上部のライトで表示した。 伝達方法情報昼間(記号)夜間(ライト)西行船に対して東行船に対して第1種 ○ 白色点灯 高根島小佐木島間に在りて東方に航行する船あり 外梶埼以東に在て西方に航行する船あり 第2種 △ 赤色点滅 小佐木島細島間に在て東方に航行する船あり 外梶埼以西に在て西方に航行する船あり 第3種 □ 赤色点灯 細島以東に在て東方に帆船群走す 布刈瀬戸に帆船群走す つまり第1種から第3種に移るにつれ、布刈瀬戸に船が存在することを伝達していた。昼間の記号は塔の中心に黒地に白文字で書かれ、窓の羽根板を開閉することにより表示を切り替えていた。現在塔屋はすべて白で塗りつぶされているが、当時は白色の記号を目立たせるため、塔屋や羽根板も黒であった。羽根板を動かす機構もケーブルの破損により現在は使えない。 潮流は、腕木式信号機(昼間のみ)で表示した。鉄骨造方形で塔高5.73m。その他、通信用信号柱(旗竿)で知らせている。昼間潮流信号機と旗竿は現存し、「旧大浜埼通航潮流信号所」の名称で、前述の信号所の建物とともに広島県重要文化財に指定されている。
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