堅固な道徳的実在論vs.最小限の道徳的実在論とは? わかりやすく解説

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堅固な道徳的実在論vs.最小限の道徳的実在論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 04:12 UTC 版)

道徳的実在論」の記事における「堅固な道徳的実在論vs.最小限の道徳的実在論」の解説

道徳的実在論は、最小限タイプ穏健なタイプ、そして堅固なタイプ三通りの仕方説明される道徳的実在論堅固なタイプ採用する場合、以下の3つのテーゼ支持することになる。 意味論的テーゼ道徳的述語(「正しい(right)」や「誤っている(wrong)」など)の主要な意味論的役割は、道徳的性質正しさ(rightness)や誤り(wrongness))を指示することであり、道徳的言明(「正直であることは良い」や「奴隷制度不正だ」)は道徳的事実表明し、真もしくは偽である(もしくは、ほぼ真である、大体において真である等々の)命題表している。 価値論テーゼ道徳的命題中には実際に真であるものがある。 形而上学的テーゼ道徳的命題が真であるのは、行為その他の道徳的評価対象関連する道徳的性質有している(関連する道徳的事実成立している)ときであり、またそれらの事実性質堅固である場合である。そして道徳的事実性質形而上学的な身分は、それがどのようなものであれ、(特定の日常的な非道徳的事実性質重要な違い持たない最小限タイプ、すなわち道徳的普遍主義moral universalism)を採る論者は、形而上学的テーゼ道徳的実在論者「内部での」争点である(実在論者と非実在論者の間での対立ではない)と理解した上で、このテーゼ拒絶する堅固なタイプ支持する論者は、形而上学的テーゼ受け入れか否かこそが道徳的実在論と非実在論重要な違いであると考えるが、それは大し重要な論点ではないと最小限タイプ支持者考えのである実際論理的に可能(ではあるが風変わり)な特定の立場例えば、形而上学的テーゼ受け入れつつ意味論的テーゼ価値論テーゼ拒絶するような立場))をどうやって分類するかという問題は、我々がどのタイプ支持するということかかっている。堅固なタイプ採用する人は、このような立場を「実在論非認知主義」と呼び一方最小限タイプ採用する人は、同じ立場をより伝統的な非認知主義一種として位置づける堅固なタイプ最小限タイプは、道徳的主観主義道徳的事実心から独立して存在しないが、道徳的言明はそれでも真でありうるとする立場)をどう分類するかについても意見異にする主観主義道徳的実在論関連する立場であると歴史的に考えられてきており、このことが理由で、道徳的実在論堅固なタイプは(明示的ではないにせよ)メタ倫理学に関する伝統的現代的研究両方において支配的であり続けた最小限実在論に関しては、R.M.ヘア後期著作がその代表だと考えられるが、それは彼が道徳的言明真理値を持つことを否定しつつも、価値判断客観性コミットしているからである。ジョン・ロールズクリスティン・コースガード代表される道徳的構成主義者もまた、最小限実在論者であるといえる。コースガード自身は、自らの立場手続き的実在論呼んでいる。進化生物学者チャールズ・ダーウィンやジェームズ・マーク・ボールドウィンの論考のある解釈によれば倫理生存戦略自然選択に結びつけて考えられる限りにおいて、倫理的行為生き残り倫理であると同時に穏健な道徳的実在論にも関わっていると考えられる

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