基礎的な見地
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 06:56 UTC 版)
コホモロジー論は、位相空間、層、群、環、リー環、そしてC*-環といった、多くの異なる対象に対して定義されてきた。現代的な代数幾何学の研究は層コホモロジーなしではほとんど考えられないであろう。 ホモロジー代数学で中心的なのは完全列の概念である。これらは実際の計算を行うのに使うことができる。ホモロジー代数学の古典的な手法は導来関手のそれである。最も基本的な例は関手 Ext と Tor である。 様々な応用が念頭にあり、主題全体を一定の基礎の上に置こうとすることは自然だった。主題が落ち着くまでにいくつかの試みがあった。大体の経過は以下のように述べられる。 Cartan–Eilenberg: 彼らの 1956 年の本 "Homological Algebra" において、これらの著者は射影および移入加群分解を用いた。 'Tohoku'(東北): Alexander Grothendieck による名高い論文におけるアプローチ。1957年にTohoku Mathematical Journal(東北数学雑誌)の Second Series に現れ、(アーベル群の層を含むために)アーベル圏の概念を使っている。 Grothendieck と ジャン・ルイ・ヴェルディエ(英語版) (Jean-Louis Verdier) の導来圏。導来圏は Verdier の1967年の学位論文までさかのぼる。これは多くの現代理論で使われる三角圏(英語版) の例である。 これらは計算可能性から一般性へと進展する。 一段とすぐれた (par excellence) 計算のスレッジハンマーはスペクトル系列である。これは例えば2つの関手の合成の導来関手を計算するのに必要である Cartan–Eilenberg や Tohoku のアプローチにおいて必須である。スペクトル系列は導来圏のアプローチでは重要性は落ちるがそれでも具体的な計算が必要なときにはいつでも役割を果たす。 はじめのコホモロジーを torsor(英語版) として拡張する '非可換' 理論の試みがなされている(ガロワ・コホモロジーにおいて重要である)。
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