現代理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/09 03:44 UTC 版)
1955年頃、日本人数学者志村五郎と谷山豊は2つの一見全く異なる数学の分野、楕円曲線とモジュラー形式の間につながりがあるかもしれないことを観察した。結果のモジュラー性定理(志村・谷山予想)は、すべての楕円曲線はモジュラー(英語版)である、つまり一意的なモジュラー形式に付随できる、という主張である。 それは当初ありそうもないあるいは非常に不確かとして受け入れられず、数論学者アンドレ・ヴェイユがそれを支持する証拠を見つけた時より真剣に受け止められたが、証明はなかった。結果として「驚異的」("astounding") な予想は谷山・志村・ヴェイユ予想としばしば呼ばれた。それは証明や反証を要する重要な予想の一覧であるラングランズ・プログラムの一部となった。 1993年から1994年、アンドリュー・ワイルズは半安定な楕円曲線(英語版)に対してモジュラー性定理の証明を与え、リベットの定理(英語版)とあわせてフェルマーの最終定理の証明が与えられた。当時ほとんどすべての数学者はフェルマーの最終定理とモジュラー性定理はともに、最先端の発展が与えられてさえ、不可能かあるいは実質的に不可能であると以前は考えていた。ワイルズは1993年6月に彼の証明を最初に発表したが、すぐに重要な点で深刻なギャップがあると認識された。証明はワイルズと、部分的にリチャード・テイラーとの共同研究で、訂正され、最終的な広く受け入れられるバージョンが1994年11月に発表され、正式には1995年に出版された。証明は代数幾何と数論の多くの技術を用い、数学のこれらの分野において多くの副産物を持つ。証明はまた、スキームの圏や岩澤理論や、フェルマーには利用可能でなかった他の20世紀の技術のような、現代的な代数幾何の標準的な構成を用いる。
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