地形と地震
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/04 04:34 UTC 版)
約8000年前までは湖だったことから、地盤がきわめて脆弱で、盆地全域に平均数百mの厚さの湖や河川堆積物が広がる。その上カトマンズ市内のボーリング結果では上部20mは特に柔らかい。 1833年のM7.9、1934年のビハール・ネパール地震(M8.1)、1988年の東ネパール地震M6.6など、ネパールでは1253年以来少なくとも16回の大きな地震が発生した。1997年までの100年間の記録の統計によれば、ほぼ12年に1回の大規模・巨大地震が起こった。1934年の地震の震央はカトマンズの東170kmで、盆地の建物の内約19%が倒壊し、40%が被害を受けた。 1255年7月7日の「大ヒマラヤ地震」では、カトマンズを壊滅させ、カトマンズ渓谷の人口の1/3が死亡し、国王が死亡した。 1833年、M7.9 1934年1月15日 ビハール・ネパール地震 Mw8.1 死者8519人 1988年8月21日 ネパール東部 M6.6 ネパールでの死者721人 2015年4月25日 ネパール中央部 Mw7.8 死者2600人以上 ヒマラヤは、ユーラシア・プレートにインド・オーストラリア・プレートが衝突することによって作られており、現在も造山運動中であるため東西に延びる巨大活断層帯が存在し、数百年おきに巨大地震を起こしている。そのうえ、南北に延びる数カ所の大きな断層帯が存在する。さらにヒマラヤ自体が自重を支えきれず常に崩壊しており、推定で2200 - 1800万年前に北方へテチス堆積物の地層がすべりおちた。 心配されているのは、カトマンズ周辺とその西部に広がる「中部ヒマラヤ地震ギャップ」(空白地帯)である。カトマンズ盆地地震危機対策プロジェクトの被害予測(1999年)では、死傷者14万人、ホームレス60万人という。 した地域に伝統的工法により作られた脆弱な建物と、無いも同然のインフラの中で暮らしている。そのため地震被害に対してきわめて弱い(後述)。
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