地底湖まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 23:07 UTC 版)
「岡山地底湖行方不明事故」の記事における「地底湖まで」の解説
前日夜の班編成変更により、日咩坂鐘乳穴班は以下の5名となった。 所属氏名学年(年齢)性別洞窟経験日咩坂入洞回数地底湖横断経験香川大学ODSC O 5回生(24歳) 女性 5年 3回 なし F 3回生(22歳) 3年 なし S 1回生(19歳) 男性 4ヶ月 1回 高知大学学術探検部 N 3回生(21歳) 3年 なし 浜松ケイビングクラブ K OB(29歳) 4年 4回 なし 5日午前10時58分、チーフリーダーの女性Oが、香川大学ODSC在郷連絡先の緊急連絡受信係に、メールで日咩坂鐘乳穴の入出洞時刻を連絡した。午前11時半に入洞を開始。12時10分に第一ラダーポイント(落差)を降下、このときはロープを使用しなかったが、12時40分と午後1時にそれぞれ降下した第二、第三ラダーポイントでは使用した。その後、大石柱ホールへ到着し、昼食、休憩、写真撮影を行った。 午後2時17分に最奥部の地底湖へ到着した。湖畔でOが地底湖の概要を説明すると、NとKの2人が地底湖横断に興味を示した。まずKが横断を試み、左壁面に沿って摑まれる部分を探りながら2、3 m程進んだが、そこで足がつかなくなった。Kは泳げないため、その地点で引き返した。 Kが横断を断念した後、他に横断を試みる者はなかった。そのためKが出洞を提案すると、Nは「浮き輪やフィンがあればいいのにな」「ここは無理そうですね」と発言した。心残りがあるものの、他の班員が泳ごうとしないため決心がつかない様子であったという。その様子を見た他の班員から、日咩坂鐘乳穴に入洞する機会は少ないため、心残りがあるのなら行ったらどうか、という趣旨の発言があったが、Nは返答しなかった。 その後、Oも出洞を提案したためN以外の班員は出洞を開始しようとしていたが、Nはまだ迷っている様子で、他の班員を誘うような発言をした。班員は、自分は横断を行わないが、行きたいと思うのであれば行った方が良いのではないか、という趣旨の返答をしている。 この返答の後、Nは数秒間湖面を見つめていたが、無言のまま地底湖中央を対岸へ向って泳ぎ始めた。Oは照射距離の長いライトを点燈して、泳ぐNのヘルメット附近を照らし、他の班員も泳ぐNを見守った。
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