地域教育
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 12:10 UTC 版)
1970年代前半、丹後縦貫林道や碇高原牧場の開設など、虎杖小学校の児童の生活圏に直結する山間部の離村・廃村対策の一環で、京都府の大規模な事業計画が進行しており、虎杖小学校では離村現象がすすむ集落での聞き込み調査などのフィールドワークを行うなど、活発な地域教育を行った。 そうした取組のひとつに、アユの越冬実験がある。ほぼ自家用として利用されるにとどまっていた宇川のアユを、地域の産業として成立させたいという南波校長(当時)の発案で、産卵のために降るアユを捕獲して産卵抑制し、正月に市場に出すことをねらったものである。アユの産卵が日照時間と関係することを研究し、秋以降も夏と同じ日照時間を確保すればアユは産卵せず、冬を越すものと想定された。そこで虎杖小学校は友釣りで捕獲したアユを飼育するため、絶えず水が流れる川と同じ条件を満たすべく約1㎞離れた場所で湧く地下水を池に引き込み、池の上に照明器具を設置して疑似的な日照時間を作りだした。目算通り、アユは秋になっても産卵せず2月の初め頃まで延命したが、水温が遠距離をパイプで送る間に低下したことが原因で越冬には至らなかった。この試験結果により、アユを冬に出荷することが可能であることは確認されたが、地元漁業者の関心は高まらず、地域産業の創出には至らなかった。
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