地域の汚染と健康被害・怪我
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 06:42 UTC 版)
「アグボグブロシー」の記事における「地域の汚染と健康被害・怪我」の解説
電子機器の廃棄物には鉛、水銀、ヒ素、亜鉛、カドミウム、クロム、臭素系難燃剤、ポリ塩化ビフェニル(PCB)などの有害物質が含まれており、アグボグブロシーなどでは作業員がE-wasteの中に含まれている銅を取り出すためにプラスチックで覆われたケースを燃やすなどしていることから、作業員が有毒ガスを吸い込んだり、近くの水・空気・卸売市場の果物や野菜などからも高い濃度の有害物質が発見されており、その影響でE-wasteの処理にあたっている子どもたちが病気になったり、発達段階の生殖器官が傷つけられたり、脳や神経系が傷つけられてIQが低下したりする危険性や、若くして死したりしていることが指摘されている。 実際、ガーディアンは、火傷、目の損傷、肺や背中の異常、慢性的な吐き気、食欲不振、衰弱した頭痛、呼吸器系の健康問題などの問題がアグボグブロシーでは発生していると記している。また、インドの電子ゴミ廃棄場で働く子どもたちに見られたような肺の機能低下・皮膚疾患・胃疾患・肝臓障害などの症状や、妊娠女性の死産や早産のリスクの高まりも懸念されている。例えば、バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)によれば、アグボグブロシー周辺で収集したニワトリの卵は、成人が1個摂取するだけで、欧州食品安全機関が勧告する耐容一日摂取量の220倍にも及ぶ量の塩素化ダイオキシン類と、4倍にも及ぶ量のポリ塩化ビフェニル(PCB)を摂取することになるとしている。また、グリーンピースの調査では付近の土壌には有害な化学物質が許容量の100倍近くも含まれていたほか、調査によってはアグボグブロシーの近くの水域では許容量の100倍の毒素が含まれていたといい、アグボグブロシーに暮らす子供の鉛中毒率は80%を超えていたとするデータもある。他にもアグボグブロシー内で、脳卒中や心臓病、肺癌などの健康被害を引き起こすPM2.5の数値が150ug/m3以上であったとするデータなども存在する。 ガスなどによる健康被害だけでなく、アグボグブロシーでは大きなガラスの破片などの危険物が数多く散乱しており、踏むことで怪我を負う可能性が非常に高いとされている。
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