国際的な原発利用の動向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 18:11 UTC 版)
「原子力撤廃」の記事における「国際的な原発利用の動向」の解説
原子力撤廃に関する議論は、1986年4月26日に発生したチェルノブイリ原子力発電所事故の後、活発化した。スウェーデン(1980年)、イタリア(1987年)、ベルギー(1999年)、そしてドイツ(2000年)などでは脱原発が政策化された。 その後、2007年頃から急激な上昇を見せた原油価格の高騰は、原子力発電推進の材料となっている。2008年7月の洞爺湖サミットでは、原油価格高騰対策として原子力発電を世界的に推進し、中国やインドにも原子力発電の利用を積極的に働きかけるという方向性で、参加各国の合意を見ることとなった。 しかし2011年3月の日本における福島第一原子力発電所事故は、ドイツ、ベルギー、スイス、台湾といった国は2025年を目標とした「脱原発」を決定し、韓国では2080年という将来的な脱原発予定を決めた 77%の電力を原子力に頼るフランスも、2025年までに50%へ引き下げる「減原発」の方針を示すなど、原発依存度を下げたり、ゼロにしたりする方向が強まっている。原子力を推進してきた国際エネルギー機関(IEA)は2012年版の世界エネルギー展望では各国の原発利用低下を受け、「原子力に期待される役割は縮小している」と分析するとともに、電力構成に占める原子力のシェアも低下を見込み、脱原発の潮流を追認していた。2018年にはIAEAは発展途上地域における人口や電力需要の増加、気候変動や大気汚染への対策の必要性、各国のエネルギー安全保障、石油や天然ガスなど資源価格変動など4つの要因から、世界の電源構成において重要な役割を長期的に原発が果たすと主張している。
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