国際的な利用状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 16:44 UTC 版)
21世紀初頭の現在、国際的に最も多く放射線照射が利用されている食品は、香辛料や乾燥野菜の殺菌である。特に香辛料は、加熱殺菌するとその香味が著しく損なわれること、また直接に摂食するものであるため、薬剤による殺菌・殺虫を避けるためである。香辛料への放射線照射は、アメリカ合衆国、カナダ、欧州連合加盟国、オーストラリア、ニュージーランド、大韓民国、中華人民共和国など46ヶ国以上で許可されており、2000年には世界中で約9万トンの香辛料に照射された。 アメリカ合衆国では1986年から香辛料、1990年に鶏肉、1997年に牛豚の赤身肉、2002年から青果物への照射が認められた。ミネソタ州では2000年から挽肉への照射を認めているなど、州ごとに多少の差異が存在する。アメリカ合衆国での赤身肉への照射はO-157への対策として始められた。 オーストラリアでは2001年に香辛料、2003年に熱帯果実への照射が認められた。 EUでは1999年に香辛料への照射が認められた。 アジアでは中華人民共和国が圧倒的に多くの食品に照射しており、IAEA(国際原子力機関)によれば、2004年だけでアジア全体で約17万トンの内の約14万トンが中華人民共和国での照射であった。ベトナムとマレーシアも照射を行なっている。
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