国家世俗主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/30 13:43 UTC 版)
政治的には世俗主義とは、通常は政策の宗教からの独立、いわゆる政教分離原則を指す。これは政府と国教の結びつきを分解し、教典に基づく法律を市民法に置き換え、宗教に基づく差別を社会から取り除くことである。宗教的マイノリティの権利を守ることは民主主義の促進に繋がると考えられている。 ヨーロッパでは世俗主義は啓蒙主義時代に大きな役割を果たした。アメリカ合衆国の「教会と国家の分離の原則」やフランスにおけるライシテは世俗主義と結びついている。 世俗国家は中世後期にイスラム世界にも存在した。世俗主義者は政策決定者が宗教的な理由よりも非宗教的な理由で政策を決定することを好む。この点で、例えばアメリカのセンター・フォー・インクワイリーのような世俗主義団体は、人工妊娠中絶や同性婚、性教育やES細胞研究のような政策決定に関心を寄せる。 ほとんどの主要な宗教は、民主主義社会と世俗主義の優越性を受け入れているが、それでも(例えばコンコルダートやロビー活動、宗教教育などを通して)政策への影響力を維持しようと努めたり、何らかの(例えば財政的)特権を維持しようと試みている。ほとんどのアメリカのキリスト教徒も国家世俗主義を支持しており、またその概念が聖書の教え(例えば「カエサルの物はカエサルに、神の物は神に与えよ」)に合致すると認めることができる。 しかし一部のキリスト教原理主義者は、特にアメリカでは、世俗主義に反対する。彼らはしばしば今日採用されているのはラディカルな世俗主義イデオロギーであり、「キリスト教徒の権利」と国家の安全に対する脅威だと見なしている。 現代で最も深刻な宗教原理主義は、キリスト教原理主義とイスラム原理主義である。同時に世俗主義の重要な潮流の一部は、権利の平等が重要であると見なす宗教的マイノリティに由来した。フランス、インド、韓国、トルコ、アメリカなどは、憲法で国教の廃止や世俗主義であることが明記されている「憲法世俗主義」である。
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