国会での児童ポルノ認定を巡る議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:38 UTC 版)
「Santa Fe」の記事における「国会での児童ポルノ認定を巡る議論」の解説
2009年(平成21年)6月26日、衆議院法務委員会における児童ポルノ禁止法法案審議の席で、本写真集が「児童ポルノ」の定義に当てはまるのかどうかという議論が繰り広げられた。1999年(平成11年)から施行されている児童ポルノ禁止法ではその定義を、18歳に満たない者を被写体としたポルノであると定義しており、法改正では販売のみならず単純所持を禁じるという案が焦点の一つとなっていた。民主党の枝野幸男議員は、法案提出者である自由民主党の葉梨康弘議員に対し、宮沢りえが18歳のときに撮影されたか17歳のときに撮影されたかわからないとしつつ本写真集を取り上げ、いずれにせよ出版当時は適法であり、150万部ものベストセラーとなったこの写真集を児童ポルノとして扱うことになるのかと問いただした。これに対して葉梨議員は、同法により本写真集の単純所持が違法化されたとし、1年の猶予期間内に廃棄されなかった場合には本写真集の所持を処罰の対象にすべきであると受け取れる発言をし、新聞各紙やネット上で波紋を呼んだ。社会民主党の保坂展人議員も、自身のブログで、この写真集のような芸術作品や過去の出版物を安易に児童ポルノの定義に該当させることに対する懸念を述べており、児童ポルノ禁止法法案審議の場でも同様の発言を行っている。 このような反響に対して葉梨議員は自らのブログで発言し、自分は本写真集を見たことがなく判断のしようがなかったと弁解しつつ、自分が本写真集を廃棄すべきだと発言したという報道は誤解に基づくものであるとして反論し、報道を行った「東京新聞」や「日刊ゲンダイ」を名指しで批判している。また同ブログでは、児童ポルノに該当する書籍ならばどれだけ有名な女優のものであっても所持を禁じるべきであるという持論を述べつつも、葉梨議員が後から衆議院法制局から聞いた話として、判例に基づけば本写真集は児童ポルノに該当しない可能性が高いのではないかという趣旨の見解を示している。一方、この発言についてもミドルメディア系ニュースサイトのJ-CASTニュースは、葉梨議員の説明が曖昧であり、結局のところ「Santa Fe」が児童ポルノであるのかどうかははっきりしないという疑問を呈する形で報じている。 国会でこのやり取りが行われた後、インターネットオークションで同写真集の価格が急騰し、当時の販売価格の3倍の値段で取引される場合もあったという。前述のように葉梨議員から批判を向けられている日刊ゲンダイはこのことを報じた記事において、国会でのやりとりが同写真集に注目を集める結果になったと報道し、それを引き合いに与党案の内容に疑問を投げかける識者の意見を掲載している。
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