問題解決プロセスとしてのデザイン思考
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 08:25 UTC 版)
「デザイン思考」の記事における「問題解決プロセスとしてのデザイン思考」の解説
分析思考とは異なり、デザイン思考はアイデアの「積み上げ」によるプロセスであり、「ブレーンストーミング」の段階ではアイデアの幅に制限を設けることはほとんど、あるいは全くない。これにより、参加者の失敗に対する恐怖は小さくなり、アイデア出しの段階で広く多様な情報源を用いることができる。「箱の外に出て考える(thinking outside the box)」というフレーズはブレーンストーミングの目標の一つを表現するために作られた言葉である。それにより、与えられた状況下における隠された要素と曖昧さを発見することが容易になり、誤った前提を見つけ出す手助けにもなる。 デザイン思考のあるバージョンには以下の7つの段階がある。定義(define)、研究(research)、アイデア出し(ideate)、プロトタイプ化(prototype)、選択(choose)、実行(implement)、学習(learn)。この7段階を通じて、問題が定式化され、正しい問題が問われ、より多くのアイデアが生み出され、そして最高の答えが選ばれるのである。これらの段階は線形的ではなく、同時に発生することもあれば繰り返されることもありうる。ロバート・マッキムはプロセスをよりシンプルに表現し、「表現―テスト―サイクル(Express–Test–Cycle)」とした。他には、クリストフ・マイネルとラリー・ライファーが提案する5段階プロセスがあり、「問題の(再)定義((re)defining the problem)、ニーズの発見とベンチマーキング(needfinding and benchmarking)、アイデア出し(ideating)、建設(building)、テスト(testing)」とされている 。また、スチュアートのPDSAサイクルもデザイン思考の一種といえるかもしれない。 デザインは常に個人の選好に影響されるものであるが、デザイン思考という方法論にはいくつかの共通の特徴がある。それらは、創造性、両手ききの思考(ambidextrous thinking)、チームワーク、ユーザー中心性(共感性)、好奇心、そして楽観主義である。 プロセスのたどり方は厳密に循環的であるわけではない。マイネルとライファーは次のように述べている。「これらの段階は十分に単純ではあるが、正しい変曲点と次のステップを適切に選択するために求められる適応的熟達には高次元の知的活動を伴う。しかし、それは訓練によって学習可能な能力である」。
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