問題点や危険性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 03:43 UTC 版)
コーチングは、良い効果をもたらす可能性がある反面、「人を変える」「人が変わる」ことを扱うため、ルーツを同じくする自己啓発セミナーや組織開発同様、害悪をもたらしうる危うさがある。 例えば、部下やクライアントが必要十分な知識・ノウハウの指導(ティーチング)を受けていない状態でコーチングを行うと、それは相手への支援ではなく、わからない・知らないことを詰問する行為になりかねず、相手を傷つけ、自尊心を損なう可能性がある。簡単な訓練を受けただけの人が部下にコーチングを行い、相手をより混乱させることも少なくない。必要な訓練を受けていないコーチが理論的基盤のないコーチングモデルをクライアントにあてはめて介入し、心理的健康問題を見抜けず悪化させ障害を引き起こしている状況があり、無資格のライフ・コーチへの疑念の報道も増加した。しかし、そもそもコーチには資格も条件もないため、不満や意見の矛先もなく、問題の実態の把握は困難である。 手軽で簡単なテクニックと考える風潮もあり、「部下の話をよく聞き、相手をほめて、承認して、ソフトタッチに接していくこと」といった誤解も見られる。 一般的にはコーチビジネスは、ライフスタイルやビジネスチャンス程度にしか考えられず、無批判に受け止められ、養成講座が流行するといういびつな状況となっている。アメリカでは、子育て等の理由で在宅ビジネスを求職する消費者に対して、電話で仕事が可能なコーチングの詐欺的な商法が横行し、連邦取引委員会(FTC)が悪質な事業者を社名と個人名をあげて摘発・公表するとともに、2013年1月に消費者情報としてコーチングの詐欺的商法に関する注意喚起を行った。
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