哺乳類の牙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/15 08:25 UTC 版)
哺乳類の牙は、長く強大に発達した犬歯または切歯(門歯)である。具体的な例は以下のとおり。 陸生食肉目(イヌ科、ネコ科など) - 両顎犬歯。より発達しているのは上顎犬歯。 イノシシ - 両顎犬歯。外部から目立つのは上顎犬歯だが、咬耗により下顎犬歯の方が鋭い。 バビルサ - 両顎犬歯。雄の上顎犬歯は顔面の組織を貫き体外に出る。 カバ - 両顎犬歯・切歯。最も発達しているのは下顎犬歯。 ゾウ(インドゾウの雄、アフリカゾウの雌雄) - 上顎切歯。象牙と呼ばれる。 セイウチ - 上顎犬歯。 イッカクの雄 - 左上顎切歯。前方にまっすぐ突き出す。 デイノテリウム(絶滅) - 下顎切歯。反り返って下向きに伸びる。 ヒト-犬歯としてその痕跡を留めている。犬歯は牙が退化したもので、特徴として他の歯に比べ性差が明らかで、平均的に男性のほうが女性よりも6%程度犬歯が大きく鋭くなっている。 普段は口の中に隠れる場合(イヌやサル、カバなど)、普段から口からはみ出て見える場合(ゾウ、イノシシなど)がある。 肉食動物では獲物を捕らえ、食いちぎり食べる器具として使われる。特に最初にかみついた際に獲物に突き刺さり、有効な傷を与えると共にその体を固定する役割を果たす。そのため、口からはみ出るような牙を発達させた捕食動物の例が過去にあり、スミロドンなどのサーベルタイガー類はその代表的な例である。 草食動物では土を掘って根やイモを探し、あるいは樹皮を剥いで食べるのに使われる。両者で天敵に対しての攻撃または威嚇器官として、また、メスを巡る雄同士の戦いに使われる例も多い。そのため、雌雄共に牙がある場合でも、雄で特に良く発達する例が多い。
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