哺乳類の研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/04 04:07 UTC 版)
「リチャード・オーウェン」の記事における「哺乳類の研究」の解説
現生の哺乳類に関して、オーウェンの寄稿の重要な物を挙げると、単孔類、有袋類、類人猿に関係した物である。彼はまた、1848年にいくつかの化石を記載する際に有蹄類に2つの典型的なグループがあることを最初に認め、蹄が偶数のグループを「偶蹄類」、蹄が奇数のグループを「奇蹄類」と名付けた人物でもある。 しかしながら、彼の哺乳類の論文のほとんどは絶滅した種を取り扱っており、これはダーウィンによって南米で採集された注目すべき化石によってその興味をかきたてられていたためのようだ。パンパスから出土したトクソドン (Toxodon) がその後記載され、広義の有蹄動物の絶滅した一種に関する最初の明白な証拠をもたらし、齧歯類、貧歯類、草食性鯨類と類似点を持つ厚皮動物であることがわかった。オーウェンの南米産絶滅哺乳類への興味は、他の重要な寄稿のみならず、自ら名付けたグリプトドン (Glyptodon) という巨大なアルマジロ(1839)や、巨大な地上性ナマケモノのミロドン (Mylodon :1842)やメガテリウム (Megatherium :1860)に関するすばらしい論文へと導かれていった。 同じ頃にトーマス・ミッチェル卿がニューサウスウェールズで発見した化石骨を題材とした論文は、オーストラリアの絶滅哺乳類に関するオーウェンの長大な論文集の最初の物となり、最終的にその論文集は1877年に書籍の形で再刊された。彼は絶滅した巨大カンガルーや巨大ウォンバットに加えて、ティラコレオ (Thylacoleo ) やディプロトドン (Diprotodon ) をも発見している。海外からの大量の標本の対処に忙殺されているにもかかわらず、オーウェンはイギリス諸島産の同じような化石に関する徹底的な研究のための事実をも集めていた。そして1844年から1846年にかけて"History of British Fossil Mammals and Birds"を出版し、"Monograph of the Fossil Mammalia of the Mesozoic Formations" (Palaeont. Soc., 1871)に代表される多くの論文がそれに続いた。彼の最後の出版物の1つは小文 "Antiquity of Man as deduced from the Discovery of a Human Skeleton during Excavations of the Docks at Tilbury" (London, 1884) だった。
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