和田薫 (作曲家)とは? わかりやすく解説

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和田薫 (作曲家)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/10 06:18 UTC 版)

和田 薫
生誕 (1962-05-05) 1962年5月5日(63歳)
出身地 日本山口県下関市
学歴 東京音楽大学
ジャンル クラシック音楽
現代音楽
劇伴
アニメ音楽
映画音楽
ゲームミュージック
職業 作曲家編曲家指揮者
公式サイト www.kaoru-wada.com
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和田 薫(わだ かおる[1]、男性、1962年5月5日 - )は、日本作曲家編曲家指揮者山口県[1]下関市出身。

純音楽作品(クラシック現代音楽)の他、映画音楽アニメ音楽ゲーム音楽などを手がける。映画音楽(実写)の代表作に『忠臣蔵外伝 四谷怪談』、アニメの代表作に『ゲゲゲの鬼太郎』(第4シリーズ)、『金田一少年の事件簿[1]、『学校の怪談』、『犬夜叉[1]、『D.Gray-man』『逆転裁判 〜その「真実」、異議あり!〜』、『らんま1/2』(2024年版)など、ゲームの代表作に『キングダム ハーツ シリーズ』、『モンスターハンター4』(オーケストレーション)など。

経歴

作風

重厚なオーケストレーション邦楽器や民族楽器を取り入れたエスニック色彩の音色が特徴。

アニメ音楽は『ゲゲゲの鬼太郎』『犬夜叉』『学校の怪談』など妖怪・ホラーをテーマにした作品のほか、『レレレの天才バカボン』などのコミカルな作品も得意とする(『ゲゲゲの鬼太郎』では管弦楽と邦楽器を併用することにより、妖怪の世界を表現し、その手法は第5シリーズにも受け継がれている。この手法をさらに昇華させたのが『犬夜叉』である)。

楽器本来の音色を重んじており、シンセサイザーは独自の音色(実在する楽器では表現できない音色)を奏でる際にのみ使用する[3]

2003年には著名な音楽家7人とともに、『犬夜叉』の音楽を管弦楽に編曲したCD『Wind 犬夜叉 交響連歌』を発売した。

また管弦楽のみならず吹奏楽も、作曲家活動の最初期から継続的に手がけている。東京音楽大学在学中に作曲した『吹奏楽のための土俗的舞曲』は1984年度全日本吹奏楽コンクール課題曲の公募で選出された作品であるが、その後に同作の管弦楽編曲版を終曲とした『オーケストラのための民舞組曲』へと発展しており、両作とも初期の代表作の一つとなっている。他にも自作の管弦楽から吹奏楽、あるいは吹奏楽から管弦楽への編曲を多数行っており、『犬夜叉』の音楽の吹奏楽用編曲も自ら行っている。さらに師である伊福部昭の作品『ラウダ・コンチェルタータ』や『ゴジラ』の音楽の吹奏楽用編曲なども行っている。

家族

  • 中川亜紀子(妻、声優) - 中川は夫である和田が担当する作品にも出演している。役柄は『金田一少年の事件簿』(七瀬美雪)、『犬夜叉』(日暮草太)である。

テレビ出演

主な作品

演奏会用作品

  • 吹奏楽のための土俗的舞曲(1984年全日本吹奏楽コンクール課題曲/2012年改訂)
  • オーケストラのための三つの断章(1986年
  • フルートハープ打楽器のための相掛(1987年
  • オーケストラのための民舞組曲(1987年)[1]
    終曲の「土俗的舞曲」は『吹奏楽のための土俗的舞曲』の管弦楽編曲版
  • 笛と邦楽打楽器、西洋打楽器のための楽市七座(1988年
  • 6人の打楽器奏者のための打響聲應(1989年
  • 交響詩 “天地人”− 交響管絃楽のための − (1995年)
    • 吹奏楽のための交響詩 “天地人”(上記作品の吹奏楽編曲版)
  • オーケストラとパイプオルガンのための交響頌詩〈飛翔天〉(1996年
  • 管絃楽のための交響的印象[海響](1998年
    • 吹奏楽のための交響的印象[海響](上記作品の吹奏楽編曲版)
  • シンフォニック・ファンファーレ―杉並区民のための―(2003年
  • 津軽三味線とオーケストラのための“絃魂”(2003年)[1]
  • オーケストラ探訪記 – 日本の歌でつづる管弦楽入門 –(2004年
  • 語りと五つの楽器のための詩劇「はなれ瞽女おりん」(2004年)
  • 海によせる3つの断章 − 金管アンサンブルと打楽器、ピアノのための −(2005年
  • 和楽器オーケストラのための三連譚“熾・幻・舞”(2006年
  • 協奏的3つの断章“序破急” − ティンパニ、打楽器、二人の和太鼓管楽器のための −(2006年)
  • 交響的序曲 “祝祭の時”(2007年
    • 吹奏楽のための交響的序曲 “祝祭の時”(上記作品の吹奏楽編曲版)
  • 独奏ヴァイオリンのための“譚歌 I”(2007年)
  • 独奏ヴァイオリンのための“譚歌 II”(2007年)
  • 鹿鳴新響 − 2本の尺八チェロ、打楽器のための −(2007年)
  • 3つの映像からの 音像三連(2007年)
  • 協奏三章〈鼓神〉− 和太鼓と吹奏楽のための −(2007年)
  • 和太鼓と打楽器アンサンブルのための〈鼓神 II〉(2008年
  • “遠音”アルトフルート、イングリッシュホルン、ホルンと管楽オーケストラのための合奏協奏曲(2008年)
  • チェロとオーケストラのための 祷歌(2009年)
  • 和太鼓とオケのための協奏的断章“鬼神”(2009年)
  • ある詩人の三つの詠懐− 金管六重奏のための −(2009年)
  • 独奏ヴァイオリンのための“譚歌 III”(2009年)
  • 独奏ヴァイオリンのための“譚歌 IV”(2009年)
  • 金管アンサンブルと打楽器のための二章“海神”(2009年)
  • 狂った愛(2009年)
  • 秋夢譚(2009年)
  • 吹奏楽のための交響組曲「空へ —救いの翼 RESCUE WINGS—」(2009年)
    映画『空へ-救いの翼 RESCUE WINGS-』の音楽を基にする
  • 童謡詩劇「うずら」(2010年)
  • 独奏ヴァイオリンのための“譚歌 V”(2010年)
  • 海へのファンファーレ -金管アンサンブルと打楽器のための-(2010年)
  • 吹奏楽のための祝典序曲“嶽響”(2010年)
  • オーケストラとお話による音楽ファンタジー「つるのおんがえし」(2011年)
  • 旗の下に(2011年/山口国体入場行進曲)
  • 祝鐘の時(2011年/山口国体入場行進曲)
  • 維新発動!(2011年/山口国体入場行進曲)
  • 吹奏楽のための俗祭(2011年/バンド維新)

テレビアニメ・OVA

アニメ映画

実写映画・OV

ゲーム

その他

受賞歴

脚注

  1. ^ a b c d e f g 初代ゴジラ研究読本 2014, pp. 121–123, 取材・構成 豊田朋久「インタビュー 和田薫」
  2. ^ 第18回日本アカデミー賞 優秀賞”. 日本アカデミー賞公式サイト. 日本アカデミー賞協会 (1995年3月18日). 2025年6月6日閲覧。
  3. ^ 『ゲゲゲの鬼太郎99's』ブックレットより
  4. ^ レレレの天才バカボン”. ぴえろ公式サイト. 2016年6月9日閲覧。
  5. ^ “からくりの君”. トムス・エンタテイメント. https://web.archive.org/web/20141015172141/http://www.tms-e.co.jp/search/introduction.php?pdt_no=115 2016年5月5日閲覧。 
  6. ^ “学校の怪談”. ぴえろ公式サイト. http://pierrot.jp/archives/tv_list_2000/tv_052.html 2016年5月3日閲覧。 
  7. ^ SAMURAI 7”. GONZO公式サイト. 2016年5月15日閲覧。
  8. ^ STAFF&CAST”. TVアニメ『テスラノート』公式サイト. 2021年4月7日閲覧。
  9. ^ スタッフ&キャスト”. 完全新作的アニメ「らんま1/2」公式サイト. 2024年7月17日閲覧。
  10. ^ 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 シネマ・コンサート”. 鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 シネマ・コンサート公式サイト. 2024年11月12日閲覧。
  11. ^ 第18回日本アカデミー賞 優秀賞”. 日本アカデミー賞公式サイト. 日本アカデミー賞協会 (1995年3月18日). 2025年6月6日閲覧。

参考文献

  • 『別冊映画秘宝 初代ゴジラ研究読本』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2014年8月24日。ISBN 978-4-8003-0452-0 
  • 『ゴジラVSキングギドラ コンプリーション』ホビージャパン、2020年3月31日。 ISBN 978-4-7986-2176-0 
  • 『ゲゲゲの鬼太郎1996 DVD-BOX ゲゲゲBOX 90's』ブックレット

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