吉野_(ゲイバー)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 吉野_(ゲイバー)の意味・解説 

吉野 (ゲイバー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/11 17:29 UTC 版)

吉野(よしの)とは、吉野ママこと吉野寿雄が、1964年(昭和39年)に東京・六本木雑居ビル2階に開いたゲイバーである。当初は7ほどの小さな店だった。各界の著名人らが訪れたが、六本木ヒルズ建設に伴う立ち退き移転を迫られたため、2002年(平成14年)に閉店した。

吉野を訪れた著名人

政界、財界人のほか、芸能界・スポーツ界からは、美空ひばり石原裕次郎高倉健長嶋茂雄坂本九泉ピン子沢田研二ら数多くの人々が訪れた[1]

吉野寿雄の略歴

1930年昭和5年[2])東京・両国生まれ。

小学校の頃、男らしさを求められることに違和感を覚える[1]。高等科を卒業する(今の中学2年生)直前、東京大空襲に遭う。何度も焼け出され、転々としたが、幸い家族は無事で練馬江古田で終戦を迎えた[1]

17歳で銀座ダンスホール「美松」でボーイとして働き出すが[1]、"おしまママ”こと島田正雄にスカウトされ、島田が新橋烏森神社境内で始めた日本初のゲイバーやなぎ」に移る[1]。やなぎには江戸川乱歩ミヤコ蝶々アラン・ドロンピエール・カルダンイヴ・サン=ローランなどの著名人も訪れた。

美松で働く合間に出入りしていた数寄屋通りの喫茶店兼倶楽部「ブランシック」で三島由紀夫と知り合う[1]。三島の小説『禁色』の中で、自分ほどの美少年はいないと思っている“オアシスの君ちゃん”のモデルは吉野である[1]。ブランシックではボーイとして働く美輪明宏とも出会った[3]

31歳で独立し、銀座に「ボンヌール」を開店。1964年の東京オリンピック開幕間際、六本木に「吉野」を開店するが[1]、六本木ヒルズの開発に伴う立ち退きを機に、2002年閉店した[1]

2020年(令和2年) 7月に公開のはるな愛による映画初監督作品『mama』では、主演を務めた[4]

出演

映画
テレビ
  • ウチくる!?(2003年11月30日、フジテレビ)
  • スパモク!!「あたしら!カーマ協同組合」(2017年7月12日、TBSテレビ)
  • 私のリスペクト!歴史をちょっと動かした偉人伝 劇団ひとり主催の夜会に芸能人集結! (2016年8月3日、日本テレビ)
ラジオ

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i “人間ドキュメント 美空ひばりや高倉健も通った六本木の“ゲイバー”、戦争と差別に耐えた「伝説のママ」”. 週刊女性PRIME. (2021年11月6日). https://www.jprime.jp/articles/-/22345 2022年7月3日閲覧。 {{cite news}}: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)
  2. ^ 美川憲一、神田うのとともに“吉野ママ”の90歳バースデーを祝福 うの娘はバイオリンを披露”. ねとらぼエンタ. ITmedia Inc. (2020-1201). 2022年12月18日閲覧。
  3. ^ 「サービスの達人たち」(新潮文庫・旧タイトル「日本のおかま第一号」)及び新潮45-2005年9月号「三島由紀夫に長嶋茂雄…名物ゲイバー吉野のママが語る隠花植物的人性」
  4. ^ a b mama : 作品情報”. 映画.com. 2021年6月1日閲覧。
  5. ^ 網走番外地 北海篇 - allcinema
  6. ^ 網走番外地 大雪原の対決 - KINENOTE

参考文献

関連項目

外部リンク


「吉野 (ゲイバー)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「吉野_(ゲイバー)」の関連用語

吉野_(ゲイバー)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



吉野_(ゲイバー)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの吉野 (ゲイバー) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS