合衆国著作権局
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 23:22 UTC 版)
「著作権法 (アメリカ合衆国)」の記事における「合衆国著作権局」の解説
USCOはアメリカ議会図書館の一部局であり、議会図書館は連邦議会 (つまり立法府) の一組織である。これは元々、議会図書館が世の中の著作物を広く収集し、新たな法律の作成・改正の際の調査分析に役立てるために存在しているからである。著作権者の名義登録が不要になった現在でも、著作物の納付が義務付けられているのはこのためである。2018年度の実績報告によると、議会や行政機関および一般からの議会図書館に対する問い合わせ件数は100万件を超える。また同年度のUSCOによる著作物の登録処理件数は56万件超、著作権者の移転処理件数は2万件超、著作物の登録申請のうち、96%は電子申請システム経由で提出されている。登録料収入は年3800万ドルに達している。 ベルヌ条約の批准に伴い、無方式主義を米国も採用するようになったことから、著作権保護の観点ではUSCOへの著作物の登録は必須ではなくなった。その反動で、著作物を利用したくとも許諾を求める相手が不明な著作物 (orphan works、直訳は孤児著作物) が増加し、著作物の社会利用が妨げられるジレンマを抱えるようになった。 さらにUSCOの責務は単なる管理業務に留まらず、著作権法のあり方に関して連邦議会に提言する立場にある。特に20世紀最大と言われる1976年の改正法は、USCO局長だったバーバラ・リンガー(英語版)が立役者と言われ、草案作成から議会へのロビイング、そして可決まで21年を費やしたとされる。 またデジタルミレニアム著作権法 (DMCA) に基づき、ノーティス・アンド・テイクダウン手続がインターネット事業者の免責として定められているが、その通報先と通報窓口担当者をUSCOのデータベースに電子登録する仕組みを2016年12月より導入した。このようにUSCOは著作権者と利用者の利害調整として広範な役割を果たしている。
※この「合衆国著作権局」の解説は、「著作権法 (アメリカ合衆国)」の解説の一部です。
「合衆国著作権局」を含む「著作権法 (アメリカ合衆国)」の記事については、「著作権法 (アメリカ合衆国)」の概要を参照ください。
- 合衆国著作権局のページへのリンク