古市播磨法師宛一紙とは? わかりやすく解説

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古市播磨法師宛一紙(心の文)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 07:04 UTC 版)

村田珠光」の記事における「古市播磨法師宛一紙(心の文)」の解説

珠光茶の湯弟子である古市澄胤宛てて書いたとされる『古市播磨法師宛一紙』(通称心の師の文」)は、珠光の茶の湯対す考え記されていることで有名である。『松屋会記』という茶会記記したことで有名な奈良松屋所持し小堀遠州表具依頼して掛物とした。江戸時代後期大坂豪商である鴻池道億譲られ近代には平瀬露香所蔵していたが、現在は所在不明となっている。 原文 古市播磨法師 珠光 この道第一わろき事は、心の我慢我執なり。功者をばそねみ、初心の者をば見下すこと、一段勿体無き事どもなり。功者には近つきて一言をも歎きまた、初心の物をば、いかにも育つべき事なり。この道一大事は、和漢この境を紛らわすこと、肝要肝要用心あるべきことなりまた、当時、ひえかる(冷え枯る)ると申して初心人体が、備前物信楽物などを持ちて、人も許さぬたけくらむこと、言語道断なり。かるる(枯るるということは、よき道具持ち、その味わいをよく知りて、心の下地によりて、たけくらみて、後まて冷え痩せてこそ面白くあるべきなり。また、さはあれども、一向かなわぬ人体は、道具にはからかふべからず候なり。いか様の手取り風情にても、歎く所、肝要て候。ただ、我慢我執が悪きことにて候。または、我慢なくてもならぬ道なり。銘道にいはく、心の師とはなれ、心を師とせされ、と古人もいわれしなり。 現代語訳 この道において、まず忌むべきは、自慢執着の心である。達人をそねみ、初心者を見下そうとする心。もっての外ではないか。本来、達人には近づき一言教えをも乞い、また初心者を目にかけ育ててやるべきであろう。 そしてこの道でもっとも大事なことは、唐物和物境界取り払うこと。(異文化吸収し、己の独自の展開をする。)これを肝に銘じ用心ねばならぬ。 さて昨今、「冷え枯れる」と申して初心の者が備前信楽焼などをもち、目利き眉をひそめるような、名人ぶりを気取っているが、言語道断沙汰である。「枯れる」ということは良き道具をもち、その味わい知り、心の成長合わせ位を得、やがてたどり着く冷えて」「痩せた境地をいう。これこそ茶の湯面白さなのだ。とはいうもののそれほどまでに至り得ぬ者は、道具へのこだわり捨てよ。たとえ人に「上手」と目されるようになろうとも、人に教えを乞う姿勢が大事である。それには、自慢執着の心が何より妨げとなろう。しかしまた、自ら誇りをもたねば成り立ち難い道でもあるのだが。 この道至言として、 わが心の師となれ 心を師とするな (己の心を導く師となれ 我執とらわれた心を師とするな) と古人もいう。 (現代語訳 能文2009年解説和漢この境を紛らわす」、つまり、唐物和物茶道具融和させることが茶の湯の道で重要だとしている。 「冷え枯るる」の下りは、初心者は「ただ美しく」という正風体目指すべきであり、「冷え枯るる境地老境至ってのみ自ずと達する、という連歌師心敬による連歌論を転用している。 最後の「心の師とはなれ、心を師とせざれ」は、浄土思想恵心僧都往生要集』からの引用

※この「古市播磨法師宛一紙(心の文)」の解説は、「村田珠光」の解説の一部です。
「古市播磨法師宛一紙(心の文)」を含む「村田珠光」の記事については、「村田珠光」の概要を参照ください。

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