収穫・製造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 06:23 UTC 版)
メキシコ産であることから、サボテンが原料と誤解されることがあるが、竜舌蘭とサボテンは異なる植物である。竜舌蘭は150種類余りあり、そのうち136種類がメキシコに植生している。この竜舌蘭から造られた酒は、総称でアガヴェスピリッツと呼ばれる。このうちCRTの基準・メキシコの法律(NOM-006-SCFI-2012)を満たす、産地、原料、製法などの規格に見合ったもののみをテキーラとして、販売、流通することが許される。 主原料はアガベ・テキラナ・ウェベル・バリエダ・アスルでなくてはならない。また、主原料が総原料に占める割合は51%以上でなくてはならない。 主原料のアガベは、ハリスコ州、グアナフアト州、ナヤリ州、ミチョアカン州及びタマウリパス州の特定地域で生育されたものでなくてはならない。 テキーラ町およびその周辺地域で蒸留されたものでなくてはならない。 最低2回の蒸留がされていなくてはならない。 メタノールの値は3mg/ml以下でなくてはならない。 アルコール度数は35%~55%でなくてはならない。 水以外の添加物は1%以下でなくてはならない。 NOMナンバーと呼ばれる4桁の蒸留所番号をラベルに表記しなくてはならない。 アガベ・テキラナ・ウェベル・バリエダ・アスルは、茶畑に似たような状態で丘陵地に栽培され、雨季の初めである6月に植えられて6 - 8年後に収穫される。収穫は生育したものから順に、通年にわたって行われ、コア (Coa) と呼ぶシャベル(あるいは大型の鑿)に似た専用の鎌が用いられる。葉を切り落とされ収穫されたアガベはパイナップルに似た形をしているので、ピニャ( piña、パイナップルという意味)と呼ばれている。ピニャは大きいものでおよそ50kgほどあり、傾斜を伴う畑からはラバを使って搬出する伝統が守られている。 伝統的な方法では収穫後、石を敷き詰めた穴にピニャを積み重ね、下から燻製に近い形で30時間程度蒸し焼きあげる。 蒸しあげたアガベを1週間放置し、その後これを石臼ですり潰し汁を絞り出す。 絞り汁を発酵させる。発酵後はエタノールが3 - 5%が含まれ、日本のどぶろくとよく似た風味となる。 蒸留器でアルコール度数を高める。メスカルは1回しか蒸留しないがテキーラは2 - 3回蒸留される。 原料となる Agave tequilana(竜舌蘭) ピニャ(葉と根を切り落とし球状を呈した茎)
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