反日マンガの世界とは? わかりやすく解説

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反日マンガの世界

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/09 02:57 UTC 版)

『反日マンガの世界』
(はんにちマンガのせかい)
著者 唐沢俊一
高沢秀次
宮島理
中宮崇ほか
イラスト 作・カリー徹、画・ユッキー拳
発行日 2007年3月23日2008年5月10日
発行元 晋遊舎
ジャンル サブカルチャー書籍
日本
形態 ムック新書
ページ数 170頁、236頁
公式サイト 晋遊舎
コード ISBN 978-4-88380-624-9
ISBN 978-4-88380-776-5
ウィキポータル 漫画
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反日マンガの世界』(はんにちマンガのせかい)は晋遊舎が2007年に出版した反日をテーマとした漫画に関するムックである。2008年には同じタイトルの改訂版が晋遊舎ブラック新書として再刊された。

なお、以下の文章内で示す頁数は、前者のムックのものである。

概要

この本で提唱されている「反日マンガ」とは、8頁の記述によれば、『偏った歴史観に基づいた反日的、反体制的なイデオロギーがにじみ出ているマンガ』のことである。日本国内の作品だけではなく韓国の作品も取り上げられている。また、一般に反戦マンガと言われるような作品も定義の中に含まれている。

“反日マンガを批判する啓蒙の書”という位置付けとしている。編集部が作成した46-47ページ掲載の「反日マンガを読むための基礎知識」では、

  • 戦時中に「強制連行」されたとされる朝鮮人を「ただの出稼ぎ労働者」
  • 従軍慰安婦問題を「軍による強制で働かされたという説は現在では完全に否定され、歴史教科書からも削除された」
  • 「サヨク」(≠左翼)を「劣悪な左翼思想を持つ反日主義者に対する蔑称(中略)反戦平和をお題目にし、反日・反米親中親韓に大きく偏っているのが主な特徴。反日マンガの作者は広い意味での『サヨク』に属する者がほとんどである」

としている。また、8頁では、「これらの作品によって洗脳され『日本は韓国に謝罪すべきだ!』と叫んでしまうトンデモない悪意と暴論、極論を垂れ流している」「日常に忍び寄る反日マンガの恐怖」と主張しているほか、韓国を「嫌日大国」と定義している。また当該書籍の版元である出版社が出した別の書籍を批判するというマッチポンプ的な点もある。

執筆者のうち、「人種差別主義者」を公言している中宮崇は、強制連行は神話であると完全否定する主張を12頁でしている。また44頁では創価学会会員の石坂啓を「妄想力豊かな石坂啓はホラー漫画家に転向せよ」、434頁では『週刊金曜日』と関係を持っているとして「極左」と批判しているため、批評のトーンは2ちゃんねるそのものである。これは著者の中宮崇が公言している。同様なトーンで「嫌韓右派」と呼ばれる桜井誠も、自身も関わっている「嫌日流」批判をしている。

本文執筆者

詳細は本書のプロフィールを参照。

  • 中宮崇 - 本書のプロフィールでは"プロ2ちゃんねらー"と紹介。
  • 唐沢俊一 - B級物件評論家、古書収集家。
  • 七尾輝一 - 劇画愛好家、自称"雁屋ウォッチング家"。
  • 宮島理 - フリーライター、IT関連の著作あり。
  • 高澤秀次 - 文芸評論家。
  • 藤倉善郎 - 自己啓発、カルト関連のフリーライター。
  • 桜井誠 - 「不思議の国の韓国」管理人。
  • 中岡龍馬 - “在韓の日本語講師”韓国人の性向を綴ったブログを運営するブロガー
  • 新藤祐樹 - 韓国語翻訳家。
  • 竹嶋渉 - 1964年[1]生まれの“在韓のジャーナリスト”。

取り上げられた作品

備考

  • 69頁-75頁掲載の唐沢俊一と鶴岡法斎との対談「反日マンガとは何なのか?」では「ぶっとんでいる反日マンガはそれはそれで面白い」などという発言もあり、彼らは反日マンガを「著者の意図とは異なる視点から楽しむことができる本」として「と学会」における「トンデモ本」に対する楽しみ方をしている。2人とも当時「と学会」メンバーであり、と学会では師弟関係にあった[2]。なお唐沢が執筆者として参加した著作物をと学会関係以外も多数まとめたリスト[3]では、No.111として本書をリストアップしている[4]
  • この本の中では、自費出版の同人誌政治団体のパンフレット的なものも反日マンガとして取り上げられている。特に日本国憲法第9条改正問題に関するパンフレットを、はっきりは表現していないが84頁-85頁で「日本がつねに加害者で、アジアは常に被害者という視点なのだろう」と表現し自虐史観として批判したり、中国の歴史に陶酔する作品を批判している。
  • 劣化ウラン弾問題や核実験問題を取り上げた2004年4月発刊の書籍『マンガ版劣化ウラン弾 人体・環境を破壊する核兵器!』(合同出版刊)が北朝鮮を取り上げていないのは、スタンスがわかりにくいと主張している。しかし、北朝鮮が最初に核実験を行ったのは出版の2年後の2006年10月9日である。
  • 「日本は米国同盟国ではなく従属国になっている」と主張しているために一部で反米・反日的との指摘があるマンガ作品『思想劇画 属国日本史 幕末編』などの副島隆彦の作品群や、水木しげる作の『鬼太郎のベトナム戦記』といった、米国絡みの反日的作品が登場しない。
  • 韓国の日本人が悪役で登場する「反日」漫画を取り上げているほか、本書を出した同じ晋遊舎刊の『マンガ 嫌韓流』に対抗して出された、ある意味便乗作品の2種類の『マンガ 嫌日流』に対する感情論むき出しの激しい反論が掲載されている[要出典]。また『嫌日流』は韓国では絶対売れないと本書で断言している。
  • また『マンガ 嫌日流』の著者が靖国神社遊就館について兵器が展示されていることに批判した事に対し、桜井誠が「靖国神社の成り立ちについて基本的な理解すらない」「兵士慰霊の趣を強くするのはあたりまえ」としている。また、いわゆる合祀者に朝鮮半島出身者がいることを指摘した上で、134頁-135頁で「戦犯国家と日本を罵るならば、韓国にもその十分その資格はある」としている。

脚注

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  1. ^ 竹嶋 (2008)
  2. ^ と学会白書シリーズのプロフィールより、ただし現在では鶴岡はと学会を脱会し、唐沢とも絶縁している。
  3. ^ 本人御用達詳細著作リスト
  4. ^ 反日マンガの世界』参照。

書誌情報

関連文献

関連項目

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