医療用、畜産用の抗生物質に対する耐性マーカー遺伝子の利用制限とは? わかりやすく解説

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医療用、畜産用の抗生物質に対する耐性マーカー遺伝子の利用制限

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 16:18 UTC 版)

遺伝子組み換え作物」の記事における「医療用、畜産用の抗生物質に対する耐性マーカー遺伝子の利用制限」の解説

現在の遺伝子組換え手法において、多数細胞材料としてその中から極少数の形質転換細胞選択する操作用いられることが多い。そのため、形質転換細胞選択するための選択マーカー遺伝子の発現指標として形質転換体選択している。この植物の選択マーカー遺伝子組換え作物においてもカナマイシン(kanamycin)などのアミノグリコシド(aminoglycoside)系抗生物質耐性与え遺伝子用いられることが多かった。そこに、社会政策的問題形質転換植物選択系にも影響およぼしたEU2004年をもって医療用家畜用に用いられる抗生物質対す耐性遺伝子形質転換植物細胞の選択禁止した。そして、今後EU販売される遺伝子組換え植物食品は他の選択マーカー遺伝子用いられているか、選択マーカー遺伝子除去されていなくてはならないとした(European Parliament 2001)。形質転換植物選択マーカー遺伝子基本的に形質転換体選択という育種初期用いられるに過ぎない。 しかし、遺伝子組換え食品反対派は、組換え作物が持つカナマイシン耐性遺伝子(NPTII: aminoglycoside (neomycin) phosphotransferase遺伝子) やハイグロマイシンB耐性遺伝子(hpt: hygromycin phosphotransferase遺伝子)などの抗生物質耐性遺伝子腸内細菌低い頻度であっても取り込まれる可能性があるとし、これを批判根拠一つとしていた。そこで、除草剤として用いられているビアラホス(bialaphos: phosphinothricinとなって作用)の様な農業用抗生物質医療用畜産用にほとんど用いられていない抗生物質除いて医療用畜産用抗生物対す耐性遺伝子選択マーカーとして利用することを規制したわけである。その結果新たな選択マーカー遺伝子利用した選択系用いられるようになった。更に、初め選択では抗生物質耐性遺伝子選択マーカー遺伝子として利用するが、後にその抗生物質耐性遺伝子欠失させる手法開発された。ただし、カナマイシン耐性付与する遺伝子nptIIは、自然界広く広がって存在しており、カナマイシン自体医薬として使用希か、もしくは使用されていないという理由規制となっている。 なお、EU予算によって設立運営されている独立機関であるEuropean Food Safety Authority (EFSA)は、"EFSA evaluates antibiotic resistance marker genes in GM plants" (News Story 11 June 2009)において、"In their joint opinion, the GMO and BIOHAZ Panels concluded that transfers of ARMG (antibiotic resistance marker genes) from GM plants to bacteria have not been shown to occur either in natural conditions or in the laboratory."とあるよう遺伝子組換え植物からバクテリアへの抗生物質耐性マーカー遺伝子移行自然条件下でも実験室でも観察できなかったと発表している。

※この「医療用、畜産用の抗生物質に対する耐性マーカー遺伝子の利用制限」の解説は、「遺伝子組み換え作物」の解説の一部です。
「医療用、畜産用の抗生物質に対する耐性マーカー遺伝子の利用制限」を含む「遺伝子組み換え作物」の記事については、「遺伝子組み換え作物」の概要を参照ください。

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