効果の要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 19:45 UTC 版)
「オンライン脱抑制効果」の記事における「効果の要因」の解説
匿名性、非同期通信、また、共感性の欠如はオンライン脱抑制効果に影響を与える。匿名性は、まるで別の人物であるかのように、オンライン上で安全であると感じることができ、新しい人格 (ペルソナ) を身にまとうことも可能である。また、実生活への影響がないため、どんな行為や発言もできるという感覚になることもあり得る。 非同期通信では、送信と受信がリアルタイムに行われず、送信したメッセージに対する返信を受け取るまでに時間を要する場合がある。この即応性のなさや、ログアウトが可能なことがオンライン脱抑制効果へ影響を及ぼしている。すなわち、返答を気にする必要がなく、コミュニケーションから逃避することも可能である。 共感性の欠如とは、他人の感情に共感できる可能性が減少することを指す。その要因としては、非言語的なフィードバックが不足するためである。間接的なコミュニケーションにおいては、どんな口調や表情でメッセージが伝えられているかを知ることはできず、共感することは容易ではない。匿名性と共感性の欠如の両方の作用により、オンライン上における顔の見えない対話で、その相手を感情のある人間として認識することを困難にしている。 オンライン脱抑制効果を提唱したジョン・スラーは、実生活とは切り離されたアイデンティティを確立する「匿名性」、お互いの顔や反応を確認できない「不可視性」、リアルタイムの相互作用が発生しない「非同期性」、相手の声や人格、その振る舞いを勝手に想像する「唯我独尊的な取り込み」、オンラインでのコミュニケーションを、現実世界とは別のキャラクターが存在する空想世界と同一視する「解離的な想像力」、オンライン上では現実世界の地位や権限を軽視する傾向となる「地位や権限の最小化」の少なくとも6つの要因が関連していると述べている。
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