列車位置検知機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/30 15:52 UTC 版)
「バリス式列車検知形閉塞装置」の記事における「列車位置検知機能」の解説
COMBATでは、バリスと呼ばれる検知器の通信によって列車位置を検知する。概念を図に示す。線路脇には質問器と地上応答器を、車上には車上応答器を設置しておく。 図の1に示したように、質問器と地上応答器は線路を挟んで対になって設置されており、その間では常時通信が行われている。また別な場所に設置されている質問器・地上応答器の対と組み合わせられており、この間をブロックと呼ぶ。ここに列車が進入してくると、まず車体によって通信が遮られて、ブロックの在線状態は非確定に変わる(2の状態)。続いて、車上応答器から列車IDが質問器に対して送信されることで、ブロックに進入した列車が確定され、在線状態は在線に変わる(3の状態)。ブロック出口の質問器に対して車上応答器が列車IDを送信し(4の状態)、質問器と地上応答器の間の通信が再開された段階で在線状態は非在線に変わる(5の状態)。 質問器と地上応答器の間では常に通信が行われており、これが中断すると在線状態は非確定に変わるようになっている。このため質問器・地上応答器・車上応答器のどれか1つでも故障すると、図に示したプロセスが正しく行われなくなり、ブロックの状態は非確定のままになる。この状態では関連する閉塞や連動の状況は不明な列車が在線しているものとして動作するので、フェイルセーフな構成となっている。 従来の軌道回路では、列車がその区間に在線しているかどうかだけを検知することができた。これに対してCOMBATでは車上応答器から列車のIDが送信されるので、自動進路制御装置(PRC)のような機能を簡単に実現することができる。また、列車の進行方向も同時に検知することができる。また、ブロック内で列車が全軸脱線したとしても、閉塞はそのままとなる。 検知器のブロックが従来の軌道回路に相当しているので、基本的に質問器と地上応答器の対は従来の軌道回路境界に設置される。一方、単線区間の上下列車交換駅では、2本の線路をまたいで質問器と地上応答器を設置して上下列車共用にすることもでき、コストダウンを図ることができる。この場合、場内信号機と出発信号機の位置に設置することが考えられている。
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列車位置検知機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 00:08 UTC 版)
車上で列車の現在位置を把握するための機能である。速度発電機(タコジェネレータ)を用いて車軸の回転数を測り、車輪の円周長を掛けた値を現在位置から積算していくことで移動距離を測定する。誤差の累積を解消するために線路上の必要位置にトランスポンダを設置し、その固有データを元にデータベースとの照合を行って位置補正を行っている。なお、線路内の列車占有範囲は測定した列車位置に列車長を加えることで求めている。列車位置は0.1 m単位となっている。 速度発電機による走行距離の算出では、車輪が滑走・空転すると誤差が発生する。このため、検知対象とする車軸は動力のついていない非駆動軸にすると共にブレーキ力をこの軸については弱めることで滑走・空転の防止を図っている。さらに実際に滑走・空転が発生した場合にも誤差が大きくならないように補正論理が組み込まれている。 駅や車両基地に留置されていた車両が起動する時の初期位置の設定は前回最終時点での位置を拠点装置が記憶しておき、車上制御装置起動時にその情報を送信して仮位置とする。滞泊場所付近に設置されているトランスポンダから固有データを読み込んでデータベースと照合した時点で正式な位置となる。また、留置場所には車両が移動していることを検知できる装置を設けて安全対策としている。
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