出家の要因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 10:24 UTC 版)
タイにおいては、仏教徒の男子は全て出家するのが社会的に望ましいとされており、出家行為が社会的に奨励される傾向にある。出家するための条件としては男子で20歳以上、宗教的な罪がないことを前提としている。ちなみに、出家の要因として主に以下のことが挙げられるであろう。 成人するため。 ブンを両親に献上するため。 宗教的な行為を通して良い仏教徒になる。 罪の消去(刑務所を出てから一時期間、僧になる習慣がある)。 配偶者および家族の死去で、支えてくれる家族がいない。 教育を受けるため。 近年ではこの出家の行為が形骸化の傾向にあり、2.と3.を建前とし、実際には1.の理由により、成人通過儀礼として行われることが多い。一方で、いわゆる「自分探し」などの内面的理由や、社会性をつけたいなどの現実的な要因も少なからず絡んでいる。ただ、基本的にはタンブンするということが大前提になっている。 4.は、宗教上の罪と法律上の罪が重なっている場合、法律上の罪を償ってから宗教上の罪を償うというものである。大抵は数か月の出家になるが、殺人罪などで、出家者本人に相当の罪の呵責がある場合、本人の意思次第で一生サンガに身を置いたままになることもある。 5.は非常に古くから機能しており、サンガが一種の福祉施設として機能していた興味深い事例である。 6.は貧しい家に生まれたが、学業に優れていたために僧になって仏教大学に入学すると言うものである。 他に非常に例外的な出家要因がある。これはタイ南部サトゥーン県に広がるサムサムと呼ばれるタイ族とマレー人(マレーシア人でないことに注意)の混血集団において、サムサムのムスリムがなにかの節に何気なく仏に助けを求めてしまった場合、(シャリーア的には違法であるが)ムスリムとして純粋になるために、何気なく背負ってしまった仏に対する借りを返上するなどの意味合いで行われる出家である。
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