共時的ダイグラフィア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 05:37 UTC 版)
「ダイグラフィア」の記事における「共時的ダイグラフィア」の解説
現代セルビア語はキリル文字とラテン文字の両方で書記される。ほとんどのセルビア語話者は両方の文字で読み書きができるがローマンカトリックのクロアチア人およびムスリムのボスニア人は一般的にラテン文字を用い、正教徒のセルビア人は両方を使用するのが普通である。イヌクティトゥット語も公式にはダイグラフィアの状態であり、ラテン文字とカナダ先住民文字が用いられる。 ヒンドゥスターニー語ではデーヴァナーガリーとペルシア文字で表記されるが大半の話者はどちらか一方の文字体系しか知らず、それぞれの表記はヒンディー語とウルドゥー語の規範に従うのが一般的である。 日本語の表記体系では複雑なダイグラフィアが発達している。William C. Hannasは日本語におけるダイグラフィアを、時折見られるローマ字表記による”真のダイグラフィア”と三つの文字体系 (漢字・ひらがな・カタカナ) に異なる機能を持たせ用いる”トリグラフィア”に分類している。日本語は漢語系語彙に用いられる標語文字の漢字、固有語に用いられる平仮名、外来語や視覚的な強調に用いられるカタカナによって表記される。 例として日本という国名は通常漢字を用いて”日本”と表記されるが、ひらがなを用いて”にほん”、カタカナを用いて”ニホン”とも表記できる (加えて”Nihon”というローマ字表記もあり得る)。日本語ではどの文字体系を使用するかにある程度の柔軟性があり、またその選択がある種社会的な意味を持っている。 また他の例としてマレー語では通常ラテン文字が用いられるがある特定の地域 (マレーシアのクランタン州、ブルネイ) ではジャウィ文字と呼ばれるアラビア文字の一種が使用される。 現代の書記中国語では簡体字もしくは繁体字の使用によって、ダイグラフィア、より正確には異なる字形が用いられるためダイグリフィア ("diglyphia") が問題となる。
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