公共投資との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:09 UTC 版)
ケインズの生きた時代のイギリスでは、経済の成熟化で国内での投資機会が希少になり、また自由な資本移動の下で資本の国外流出を阻止するための高金利政策が国内投資を圧迫するというジレンマに悩んでいた。そこで政府が主導して資本の流出を防ぎ投資機会を創出することで国民経済の充実をはかることをケインズは考えていた。 もともとケインズは、景気対策として中央銀行の介入による利子率のコントロール(金融政策)に期待していたが、のちの『一般理論』においては企業の期待利潤率の変動や流動性選好などの制約で金融政策が奏効しない可能性を認め、雇用量を制約する生産量の引き上げの方策として公共投資(財政政策)の有効性を強く主張するようになった。 「流動性の罠」も参照 またケインズの提案は、失業手当の代替策としての性格を持っていた(当時の失業率は10%を越える状況にあった)。また過剰生産力の問題を伴わない投資として住宅投資などが想定されていたが、現実においては完全雇用を達成するに足るほどの規模の投資が、軍事支出によってしか政治的に許容されないと(軍事ケインズ主義)ケインズ本人は考えていたと浅野栄一は主張している。。 ケインズは当初は軍縮を主張していたがドイツとの戦闘により第二次世界大戦が始まると軍拡論者に転向し、あらゆる努力を戦争に向けさせることを主張した。
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