全区間フル規格化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 14:04 UTC 版)
東北新幹線盛岡以北の工事は、フル規格とミニ新幹線が混在する形で着工されたが、1988年(昭和63年)の政府・与党申合せにおいては「従来の整備新幹線の整備計画はすべて維持されることを前提として、これをその第1歩と位置づける。また、今後、経済社会情勢の変化等を考慮して、5年後に見直すこととする。」との文言が盛り込まれていたため、全線フル規格整備を求める運動が続いた。青森県では、この運動の一環として、フル規格整備を求めるテレビCMを、関東の在京テレビジョン放送局にて放映した。内容は、東北新幹線を恐竜の背骨に例え、「背骨がつながっていないと役に立たない」とフル規格での東北新幹線整備を主張するものであった。このCMは1993年(平成5年)6月に放送された。 その後、1994年(平成6年)2月に細川内閣における連立与党申合せおよび三大臣(大蔵・運輸・自治)申合せとして見直し案が示され「新たな財源を見出すことを前提として、平成9年以降新しい基本スキームを検討し、その成案を得ることとする。」としていたが、同年6月に村山内閣が発足し、亀井運輸大臣が前述の申合せの撤回を表明した。これを受けて9月に連立与党整備新幹線検討員会が発足し、議論が行われた結果、12月の連立与党および関係大臣申合せにより、盛岡 - 八戸間を標準軌新線(フル規格)に変更し、八戸 - 青森間の暫定整備計画(ミニ新幹線化)は取り下げることが決定された。前述の合意を踏まえて、1995年(平成7年)4月に盛岡 - 沼宮内間の工事実施計画が認可され、盛岡 - 八戸間の全区間がフル規格で建設されることになった。 1996年(平成8年)1月に橋本内閣が発足すると、連立与党整備新幹線検討委員会が再開され、9月まで議論が行われた。この中では、スーパー特急案、フリーゲージトレイン案なども新たに提案されたが、最終的に、12月25日の「整備新幹線の取扱いについて 政府与党合意」において、東北新幹線の新規着工区間として八戸 - 新青森(石江)間の標準軌新線(フル規格)が示された。平成8年の合意に基づいて、1998年(平成10年)1月に「政府・与党整備新幹線検討委員会における検討結果」が公表され、従来の整備新幹線計画が維持されていることを確認したうえで新規着工区間の優先順位が示され(1)東北新幹線 八戸 - 新青森間、九州新幹線(鹿児島ルート)船小屋 - 新八代間、(2)北陸新幹線 長野 - 上越間とされた。同年3月に八戸 - 新青森間の工事実施計画が追加認可され、新青森駅で起工式が行われた。
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