入幕から幕下陥落まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 16:56 UTC 版)
3月場所は一進一退の星勘定を続け、千秋楽に勝って8勝7敗と新入幕での勝ち越しを決めた。5月場所は11勝4敗と好成績であったが予想されていた技能賞はなく、解説者の北の富士が中継で「11番とって(三賞を)あげないの? そりゃないよ」と同情する一幕もあり、宇良も「技能賞、欲しかったです」とがっかりした表情を浮かべた。また、親方衆の中には宇良の取り口を"技能"でなく"異能"とする声があったという。 7月場所は東前頭4枚目まで最高位を更新。番付発表に際して「まず勝ち越しを目指す、と言える地位ではなくなってきている。怖いですね」と本場所へ緊張感を漂わせた。迎えたこの場所の中日は、上位陣の途中休場により本来組まれる予定のなかった初の横綱戦を迎え白鵬に敗れるも、翌9日目は横綱・日馬富士をとったりで破り初金星を挙げている。9日目の時点で6勝3敗と勝ち越しに近づいていたが、10日目から5連敗して負け越しを確定させた。それでも千秋楽は勝って7勝8敗と踏みとどまった。入門当初「1回だけ十両に上がれれば」程度にしか希望を持っていなかった宇良にとって金星を獲得した経験は想像以上に大きなものであったと同時に、体重を増やし実力を付けた宇良は技能賞に対するこだわりもなくなっていった。宇良はまた「上位で戦う体ができてないと感じました。まだまだ力をつけないと」と、千秋楽の支度部屋でさらなる奮起を誓った。しかしこの場所の相撲ぶりについて舞の海は「確実に悪くなっている。いつもの宇良の粘りがなくなっている」と言っており、場所10日目に高安に敗れた際に痛めた右ひざの状態を心配した。舞の海は宇良に対し「何とか(右ひざを)悪化させないように、思い切って夏巡業も休んでいいと思う。ファンには申し訳ないけど、ひざを治してまた楽しませる相撲を本場所で見せてほしい」と休場を促した。直後の夏巡業は最序盤の滋賀場所と草津場所に参加しただけで途中休場。玉ノ井巡業副部長は「右膝の外側靱帯を痛めている。歩くのも引きずっていたからね。(全治)1カ月かな。今は無理して出る時期ではない。すぐ東京場所も来るから治すのが最優先でしょう」と説明した。宇良は「元気な相撲を見せられない。お客さんに大丈夫かと気を使われて見られるのは良くない」と話した。 2017年9月場所では痛めていた足を2日目の取組でさらに痛め、「ずれた。うわー、終わったなコレ」と話し、そのまま休場した。3日目の逸ノ城戦は不戦敗。秋巡業は全休。宇良を始めとして休場者が続出した秋巡業では、木戸口で入場料を割引する対応を求める客がほんのわずかながら現われていた。11月場所は全休し、場所後の冬巡業も全休。 2018年1月場所も十両で全休し、3月場所で幕下に陥落した。
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