入力速度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 16:26 UTC 版)
ひらがなの入力速度は、配列よりも個人の適性に大きく左右され、高速入力の得意な人と不得意な人の差に比べれば、配列による差は比較的小さい。むしろ練習量や集中力に大きく左右されやすい。そのため、入力速度の定量的な比較には難しいものがある。 ただ、以下に掲げるデータや他の配列と併用する者の実感から、親指シフト規格は高速入力に比較的向いた配列と考えられる。あくまでも「比較的」なので、高速入力の得意な人がローマ字入力した場合と高速入力の不得意な人が親指シフト規格で入力した場合を比べれば前者のほうが速い。 タッチタイピングの打鍵数は、多いより少ないほうが、高速入力に有利だと考えられる。日本語の文章(天声人語4日分:3735文字)を入力したときの打鍵数を、他の入力方式と比較した資料によると、以下の通りである。 打鍵数と内訳(変換・無変換は除く)総打鍵数比率備考親指シフト3735 1.0 シフトキー自体を押した数は、カウントしない。 JIS配列かな4110 1.1 シフトキー自体を押した数は、カウントしない。 ローマ字6474 1.7 同じかな入力方式でありながら親指シフト規格とJISかな入力法とで打鍵数に開きがあるのは、親指シフト規格ではすべての読みを1打鍵(シフトキーとの同時打鍵を含む)で入力するのに対し、JISかな入力では文字と濁点・半濁点を別々に入力するため、濁音と半濁音の入力では2打鍵(ほぼ交互打鍵)になるためである。 さらに、親指シフト規格はホームポジション付近に頻出文字を集中配置しているため、運指距離と運指時間はローマ字入力やJIS配列かな入力よりも少なく済む。 ただし、親指シフト規格では親指シフトキーの操作があるので、打鍵数にそのまま反比例する速度は出ない。つまり、ローマ字入力の1.7倍までの速度は出ない。JISかなとは打鍵数の違いが少ないものの、親指シフト規格による入力のほうが運指距離を短くすることができる。 一方で、「同じ程度の適性を持った者がある文字入力速度を出すために必要な労力」は入力手法の出来(打鍵数・運指距離・運指時間・交互打鍵率など)に依存する。そのため、同時打鍵に対するストレスを感じない人にとってのみ、ローマ字入力やJIS配列かな入力よりも少ない労力で文字入力をすることが出来るものと思われる。
※この「入力速度」の解説は、「親指シフト」の解説の一部です。
「入力速度」を含む「親指シフト」の記事については、「親指シフト」の概要を参照ください。
- 入力速度のページへのリンク