先軍号 / 先軍虎(先軍-915)
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「M-2002」の記事における「先軍号 / 先軍虎(先軍-915)」の解説
2010年10月10日の軍事パレードでは、転輪が6個で操縦席が中央にある新型車体に、お椀型の砲塔を載せた新型戦車も確認されている。これを天馬号/天馬虎の最新型とする説もあるが、2010年と2012年に天馬号/天馬虎の最新型である「天馬5号(チョンマオホ)」がこれとは別に登場している。 サーマルスリーブを装着した主砲は125mm滑腔砲である可能性が高いが、外観から2A26/2A46系の単純なコピーではないようである。また、砲塔下方の自動装填装置(オートローダー)は搭載していない可能性が高い。そのため、装填手がいるものと考えられる。砲塔内は3名で、車長は砲塔後部左側に、砲手は前方左側に、装填手は右側にいる。砲塔上面右側にはKPV14.5mm重機関銃(装填手が操作。RWSではないので、射撃時はハッチから身を乗り出し曝す必要がある)を、砲塔上面左側には携行地対空ミサイル(車長が操作)を備えている。砲塔側面には左右それぞれ4連装発煙弾発射機を備えている。操縦席前方の傾斜した車体前面には、爆発反応装甲のブロックらしきものが確認できる。この2010年の時点では砲塔前面に爆発反応装甲らしきものは確認できない。砲塔後部は箱状のバスルになっており、即応弾を収納しているものと推測される。バスル後部には籠が付いている。砲塔後端バスル部分直前の位置の砲塔上面には太めの棒が立っており、環境(横風)センサーだと考えられる。 この戦車は2012年4月15日に行われた、金日成主席生誕100周年記念軍事パレードにも登場している。操縦席前方の傾斜した車体前面には、爆発反応装甲のブロックらしきものが確認できる。この2012年の時点ではお椀型砲塔前面に、T-90の「コンタークト5」のような形状の、楔形の板を備えている。 北朝鮮の情報筋は、RHA換算で、砲塔の900mmに加えて、二枚重ねの砲塔ERAで500mmが追加されて、約1,400mmの砲塔正面防御力がある、と主張している(が、誇張の可能性が高い)。 車体左側面にエンジンの排気口があることが確認できる。 中国網2013年1月17日付けは、「北朝鮮が2012年4月に開催した閲兵式でほとんどの主力戦闘装備を動かしたことをロシア軍事産業共同体のサイトが1月15日に報道した」と、間接的に報じた。その中にはM-2002 暴風虎も含まれていたとされる。M-2002 暴風虎として公開された画像は、転輪が片側6個で、操縦席前方の傾斜した車体前面に爆発反応装甲のブロックらしきものを、お椀型砲塔前面に楔形の板を備えており、上記2010年と2012年と同じ戦車である。 聯合ニュース2013年6月19日付けは、北朝鮮が2005年から2012年にかけて、「先軍号」と「天馬5号」からなる新型戦車約900輌を追加配備したと報じた。 朝鮮日報2014年8月19日付けは、北朝鮮が、中国との国境地帯の両江道に2010年に創設した第12軍団に、自動射撃制御装置、コンピューターモニターを搭載した最新型戦車「先軍915」を約10台配備したと報じた。 先軍号あるいは先軍虎(선군호、発音はどちらもソングンホ)は金正日の「先軍政治」から名づけられたとされる。初期名称は先軍-915であった。2009年より生産が開始された。
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