先軍期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 07:13 UTC 版)
金日成の死去後、金正日が政治権力を継承したが、北朝鮮の経済状況は悪化し、国際的にも孤立が進んだ。核査察問題などで西側諸国から経済封鎖などの制裁を受け、旧東側諸国の友好国の援助も激減し、深刻なエネルギー不足に陥った。さらには自然災害のため深刻な食糧不足が起こった。諸問題の打開策として「先軍政治」が始まると、それは映画にも反映された。それらは「社会主義現実主題」路線の映画と呼ばれる。 2000年代以降、イギリスやロシアなどからのドキュメンタリー映画の取材を積極的に受け入れるようになり、「奇蹟のイレブン [1966年W杯 北朝鮮VSイタリア戦の真実]」(2002英)、「ヒョンスンの放課後」(2004英)、「青い眼の平壌市民」(Crossing the line, 2006英)などの映画が製作されている。しかし、「太陽の下で -真実の北朝鮮-」(2015露)に見られるように、当局側によるやらせや取材への干渉が行われてもいた。 2006年に製作されたキム・ラエ監督の「ある女学生の日記」は翌年のカンヌ国際映画祭で北朝鮮映画として初めて上映されている。2012年にはイギリス・ベルギーとの合作によるロマンチックコメディー映画『金同志は空を飛ぶ(Comrade Kim Goes Flying)』が製作され、釜山国際映画祭でも特別上映がなされた。 金正恩政権下では、新作映画の本数が2012年に5本、13年から15年まで各1本、16年に3本と大幅に減少しており、17年から19年にかけては1本も製作されない状態が続いている。 韓国国内では北朝鮮映画の上映は制限されていたが、2018年の富川国際ファンタスティック映画祭で初めて「プルガサリ 伝説の大怪獣」(1985)・「金同志は空を飛ぶ」・「我が家の物語」(2016)などの9作品が公式上映された。
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