健康運動指導士の養成事業は、昭和63年から厚生大臣の認定事業として、生涯を通じた国民の健康づくりに寄与する目的で創設され、生活習慣病を予防し、健康水準を保持・増進する観点から、財団法人健康・体力づくり事業財団により進められてきました。約20年間の養成の結果、平成19年7月現在までに12,000近くの人材が養成され、登録されてきました。現在、指導士の約6割は、フィットネスクラブ、医療機関、老人福祉施設、健康増進施設等に就業し、健康づくりに関連する業務に従事しています。指導士の役割は、個々人の心身の状態に応じた安全で効果的な運動を実施するための運動プログラムの作成と指導であり、健康運動実践指導者と連携して、健康づくりのための運動を支援することにあります。
平成18年6月の医療制度改革においては、生活習慣病予防が生涯を通じた個人の健康づくりだけでなく、中長期的な医療費適正化対策の柱の一つとして位置づけられており、今後展開される本格的な生活習慣病対策、いわゆる特定保健指導においては、一次予防に留まらず二次予防も含めた健康づくりのための運動を指導する専門家の必要性が増しており、健康運動指導士への期待がますます高まっています。
このような社会的ニーズの変遷に対応するために、財団法人健康・体力づくり事業財団により、平成19年度から健康運動指導士の養成カリキュラム、資格取得方法等に至る大幅な見直しが計られました。これにより、健康運動指導士をハイリスク者も対象にした安全で効果的な運動指導を行なうことのできる専門家を目指す上でまず取得すべき標準的な資格であると位置付けられました。
けんこううんどう‐しどうし〔ケンカウウンドウシダウシ〕【健康運動指導士】
健康運動指導士
健康運動指導士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/09 08:18 UTC 版)
健康運動指導士(けんこううんどうしどうし)は、スポーツクラブや保健所・保健センター、病院・介護施設などにおいて、人々の健康を維持・改善するために、安全かつ適切な運動プログラムを提案・指導する専門家をいう。厚生労働省所管の財団法人健康・体力づくり事業財団が養成・資格の認定・登録事業を行っている。
厚労省が認定する健康増進施設に配置されるほか、生活習慣病予防を中心とした特定健診・特定保健指導(メタボ検診)における運動指導や介護予防、運動と食育を組み合わせたスポーツ栄養などの分野で注目されている。
資格取得
資格取得にあたっては、健康・体力づくり事業財団が開催する健康運動指導士養成講座、もしくは同財団から健康運動指導士養成校として認定を受けた大学などに設置された養成講座を受講する。養成講座では、運動生理学をはじめ栄養学やバイオメカニクス、トレーニング、糖尿病などに関する講義、ウォーキングやエアロビクスダンス、水泳といったフィットネス、運動プログラムの作成などの実習が含まれる。養成講座を修了後に受験できる認定試験に合格したのち、健康運動指導士台帳に登録する。登録の有効期間は5年間で、所定の講習を受講することで更新できる。
沿革
健康運動指導士の養成は、国民の生活習慣病予防・適切な運動習慣の普及を目的とした厚生省(当時)の施策の一つとして1988年に始まった。当初は厚生大臣(のちに厚生労働大臣)の認定事業として実施されていたが、2006年以降は財団法人健康・体力づくり事業財団の独自事業となっている。
2007年に養成講座のカリキュラムと受講要件が変更され、保健師や管理栄養士、四年制大学の体育学系学部を卒業した者、アスレティックトレーナーやスポーツプログラマー、インストラクターなど運動指導の実務経験者については、一部科目が免除されることとなった。
関連項目
- 温泉利用指導者 - 厚労省認定温泉利用型健康増進施設に配置
外部リンク
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