係船機械
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/15 03:28 UTC 版)
船橋楼甲板船首には汽動式揚錨機が設置され、その前方、船体中心線上には揚錨機からのシャフトを介して駆動される回転軸が垂直のキャプスタンも設置され、船橋楼甲板船尾には汽動式キャプスタンが左右に1台ずつ設置されていた。これらの配置は翔鳳丸型とほぼ同様であったが、翔鳳丸型を含め通常、揚錨機の力量は錨の大きさで決められていた。揚錨機は両舷の錨の投揚錨を行うほか、揚錨機本体の両側面にはワーピングドラムという水平軸で回転する糸巻き形のドラムが突出しており、これに岸壁と繋いだ係船索を数回巻き付け、スリップさせて張力を調節しつつ係船索を巻き込んで着岸していた。青函連絡船では定時運航確保のため、この着岸係船作業を、1日4回、たとえ悪条件下でも迅速に行うことが求められ、係船索を巻き込むワ―ピングドラムの力量が問われた。しかし錨の大きさで決められた力量では不十分であったため、第三青函丸からは係船索を10トン近い力で引張られても負けない程度の大型の揚錨機が採用され、以後の標準となった。
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係船機械
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 14:14 UTC 版)
船首船楼甲板の船首係船作業場には、投揚錨する揚錨機、着岸前、最初に岸壁のビットにつないで船首を岸壁へ引き寄せるフォアラインを巻き込む左舷の主ウインチ、左舷が岸壁から離れないよう固定するブレストラインを巻き込む右舷の補助ウインチ、そして船体を後方へ引き寄せて、船尾を岸壁ポケットへ押し込むスプリングラインを巻き込むスプリングウインチが設置され、いずれのウインチ・揚錨機も、船首の一段高くなった船首指揮台の操縦スタンドから遠隔操作された。津軽丸型では船首甲板が狭かったため、1層下の左舷中甲板に設置されていたスプリングウインチも上記のように船楼甲板に設置された。なおこれらの係船機械は電動油圧式で、その動力となる油圧を造る動力機械(油圧ポンプ)は津軽丸型同様、中甲板に設置された。 船尾船楼甲板の船尾係船作業場には、後方の岸壁ビットにかけてこれを巻き込んで後進し、船尾を可動橋に押しつける左アフターラインを巻き込む左舷ウインチ、同じく左舷船尾から前方のビットにかけてアフターラインの張力に対抗してブレーキをかける船尾スプリングラインと右舷アフターラインを巻き込む2ドラムタイプの右舷船尾ウインチが設置されていた。この2台のウインチは船尾船楼甲板左舷の台の上に設置された操縦スタンドから遠隔操作された。これらの係船機械の油圧を造る動力機械(油圧ポンプ)も津軽丸型同様、操舵機室に設置された。 渡島丸型ではこれらのウインチのうち、自動係船運転機能と呼ばれるオートテンション機能を持つのは、車両積卸し作業で、船尾の喫水や傾斜に変化があっても、船尾を可動橋から離れないよう、適度に後方へ引き寄せ続ける左舷アフターライン用の船尾左舷ウインチと、船尾右舷ウインチの右舷アフターライン用のドラムの2ヵ所だけとなり、十和田丸(2代)では付加されていた船首スプリングウインチの自動係船運転機能は省略された。 これら電動油圧式の係船機械は、国鉄連絡船では宇高連絡船 讃岐丸(初代)で初めて採用され、その後、津軽丸(2代)と松前丸(2代)以外の津軽丸型各船で改良を重ねてきた東洋電機製造製であった。 またこれら3隻では、船首側面外板の錨を収納する凹みであるアンカーリセスが廃止された。
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