侍屋敷の概要とは? わかりやすく解説

侍屋敷の概要

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 14:17 UTC 版)

武家屋敷」の記事における「侍屋敷の概要」の解説

侍屋敷さむらいやしき)は、武家属さない中級下級武士住まう邸宅のことである。現代では本来の武家屋敷が殆ど消滅していることもあり、むしろ侍屋敷の方が武家屋敷呼ばれることが多くなっている。ここでは現代における武家屋敷として侍屋敷を扱うが歴史的に武家屋敷侍屋敷異なるものであったことに注意が必要である。 侍屋敷は主に城下陣屋周囲など主君居所周囲形成され、この集中侍町と呼ぶ。基本的に主君居所から近いほど身分の高い人物住み遠くなるほどに身分の低い人物住んだ。特に家老始めとする重臣藩主居所近隣城内に住むことも多かった一方身分の低い侍は町屋隣接した場所に住まうこともあり、中には町屋そのものに住む例もあった。また、侍屋敷の更に外側には足軽屋敷足軽屋敷組屋敷)や長屋足軽長屋組長屋)が置かれ、これらは防衛上の観点から城下入口などに集中して建てられることが多かった戦国時代まで武士の多くそれぞれの領地住んでおり、平時農業従事していたので、この時代侍屋敷名主屋敷東日本)や庄屋屋敷西日本)、或いは代官屋敷などと呼ばれている。近世になり兵農分離が行われると、城下町侍屋敷集められ侍町形成されるようになった侍町多く城郭防御意識して三の丸外郭内などに計画的に配置され基本的には城に近いほど身分高く城から離れるほど身分の低い者の屋敷建てられていた。こうした侍屋敷はその武士所有するものではなく仕え主人から与えられるもので、出世降格などにより地位変われば屋敷相応のものに替えられ主人転封となればその屋敷明け渡さなければならなかった。ただし、主に上級武士郊外などに個人的に別邸下屋敷)を構えることもあった。陣屋においては敷地内小規模な侍屋敷構えて住まわせることもあった。重臣クラス侍屋敷では土塀長屋門式台構え下級のものでも書院造座敷設けるなど、格式を示す意匠施されていた。 また、江戸時代には、上級社家医者忍者なども武士準じる身分格式とされ、屋敷様式も、概ね武士の屋敷準じるのである

※この「侍屋敷の概要」の解説は、「武家屋敷」の解説の一部です。
「侍屋敷の概要」を含む「武家屋敷」の記事については、「武家屋敷」の概要を参照ください。

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